今回の改正では過去の裁判例などを踏まえ、賞与、退職手当、各種手当、福利厚生についての記載が見直され、対応すべきケースが明確になりました。
例えば、家族手当については「継続的な勤務が見込まれるパートや契約社員には、正社員と同一の手当を支給しなければならない」とされました。夏季・冬季休暇については「パートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員と同一の夏季休暇や正月休暇を付与しなければならない」とされています。
正社員とパートや契約社員では、顧客からのクレームには対応しない、売り上げノルマがないなど、仕事の内容や責任の程度が異なる場合があります。同一労働同一賃金は、これらの条件を無視して正社員とパートや契約社員の待遇を同じすることを目指すものではありません。基本給や賞与の支給額に差があることは、容認しています。
ただし、家族手当や夏季休暇、正月休暇については、内容や責任の程度にかかわらず、パートや契約社員にも支給すべきとしています。
今回の改正で、企業はパートや契約社員にも家族手当を支給したり、夏季休暇や正月休暇を付与したりするようになるのでしょうか。個人的には、しばらく様子を見る企業が多いと思います。
正社員と同様に手当や休暇を与えた場合は人件費増の負担が大きいため、企業は躊躇(ちゅうちょ)するでしょう。同一労働同一賃金の記載に反しても、労働基準法上で定められた罰則はありません。
パートや契約社員が、正社員との待遇差を労働基準監督署に訴えても、残業代の未払いや最低賃金に達していない違反とは異なり、明確な改善命令を企業側に出さないケースもあります。「業務内容を考慮して不合理な待遇差が生じないように検討してください」といった指示にとどまりがちです。
従って、正社員との待遇差についてパートや契約社員が問題を解決するためには、裁判を起こすしかありませんでした。
同一労働同一賃金はこう変わる 企業がまずとるべき対策3選【10月施行】
リファラル採用で紹介者に「報酬100万円」はアリ? 法律違反を避けるための要点Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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