「社長が犯人と同じ舞台に」 有識者が指摘するGMO「統治不全の深層」

» 2026年11月04日 22時00分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 GMOインターネットグループに対する不正アクセスでは、発覚後のGMOの対応に厳しい目が向けられている。

 有識者は熊谷正寿社長の情報発信について「混乱を生じさせた」と指摘。グループ全体の業績悪化やコーポレートガバナンス(企業統治)への懸念も強まり、関連子会社も含めた株価は下落している。

photo 会見で、涙するGMOインターネットグループの熊谷正寿社長=11月2日午後、東京都内(相川直輝撮影)

脆弱性の指摘「私のところには上がらず」 “第2部”では持論展開

 11月2日に行われた記者会見では、グループのセキュリティ企業による脆弱(ぜいじゃく)性の指摘について、熊谷氏は「私のところには上がっていなかった」と述べ、情報共有の不備を認めた。

 不正アクセスへの対応では、熊谷氏が犯人を推論する私見や笑顔の画像をSNSに投稿するといった情報発信に批判が集まった。神戸大大学院の森井昌克名誉教授(情報通信工学)は「劇場型のサイバー攻撃で社長自身が主役になり、犯人と同じ舞台に上がり、周りが混乱している」とガバナンスの不全を指摘する。

 会見冒頭で謝罪した熊谷氏だったが、会見の途中から“第2部”と称して、涙を流しながら「もうかる、もうけるという言葉は使ったことがない」などと理念を語ったり、サイバーセキュリティに関する持論を展開したりする場面があったことも象徴的だった。

株価は2割下落 業績への打撃は未知数

 被害者対応を巡り、森井氏は「見舞金の案内より、流出した個人情報の把握や悪用の監視の事後対応の説明を優先すべきだった」と苦言を呈した。犯人の特定につながる情報に懸賞金を設定したが「犯人追及は一企業でやることではない」と、情報発信見直しの必要性を指摘した。

 週明け11日2日の東京株式市場でGMOインターネットグループの株価は前営業日比0.95%安の3217円だった。不正取引の報告が相次いだ10月21日以降に約2割下落した。業績への影響をGMOは「然るべき金額の解像度が上がったときに遅滞なく開示する」とするが、被害の全体像や損失額がどこまで拡大するか読み切れない状況にある。(高木克聡)

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