連載
Dセグメント興亡史:池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/4 ページ)
Dセグメントはかつて日本の社会制度の恩恵を受けて成長し、制度改革によって衰亡していった。その歴史を振り返る。
北米マーケットでは健在
かつてのビッグネームのうち、現在も継続販売されているのは後発のアコードだけだが、そのアコードも国内ではハイブリッド専用車種として月販300台そこそこの少量販売車種となっている。その一方で北米マーケットではベスト10の常連であり、少なくともアコードに関してホンダが日本国内マーケットを向いて開発する意義は感じられない。
コロナ、ブルーバードとほぼ入れ替わりで国内Dセグメントの代表車種になったのはスバル・レオーネの後継であるレガシィなのだが、そのレガシィもここ数年大きく北米に舵を取っている。それはマツダ・カペラの後継であるアテンザでも程度の差こそあれ似たような状況だ。もはやDセグメントは日本のメーカーにとって北米の小型車マーケット攻略用の戦略車種なのである。
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