コネクテッドカーの明るい未来(5/6 ページ)
昨今、コネクテッドカー、自動運転車が騒がれている。これらの技術によって自動車メーカー、サプライヤーのビジネスモデルは大きく変わる可能性が高い。単に技術があるから開発するのではなく、顧客に対して持続的に価値を提供して、自社を選択してもらうためには何をどこまで提供するのか。そのためには、どのようなケイパビリティ、ビジネスモデルが必要なのだろうか。
顧客とのつながり
自動車メーカーは、コネクテッドカー市場で大きな売上を上げるだけではなく、ドライバーとの新たな接点が増えることで、新車購入後も顧客との接触機会を多く得られるようになる。また、ディーラーおよび修理店もドライバーとコミュニケーションを取ることが可能になる。各者はよりカスタマイズした製造や販促を行い、顧客のブランド・ロイヤルティを高め、顧客の囲い込みを促進できるようになる。これらの機能は、ドライバーやメーカーに対して大きな付加価値を生み出す。
しかし、そのためには、自動車メーカーの伝統的なビジネスモデルを大幅に変化させなければならない。ソーシャルメディアなどによって最近は変化してきているものの、メーカーは長い間、顧客とはマス向け広告を通じた間接的接触しかしていない。コネクテッドカーによって、以前よりずっと密接な関係が生じる可能性があり、新しいアプリおよびサービスを顧客に直接販売するだけでなく、ブランド・ロイヤルティも高めることができるようになる。そして、車自体がこれらすべての中心拠点となるのだ。
課題とケイパビリティ
コネクテッドカーの進歩を活用するために、自動車メーカーはオペレーションを変えることが必要になり、場合によっては、新たなケイパビリティの構築が必要となる。
バックエンドとフロントエンドの統合
完全に周囲と接続されたコネクテッドカーへシフトするために、自動車メーカーは、自社のIT部門の役割および必要となるケイパビリティについて再考する必要がある。これまで、IT部門は車が走行のために必要となるソフトウェアを開発してきた。しかし、今後、IT部門はコネクテッドカーに必要な接続性および機能性を実現するソフトウェアも構築して、さらにそれを運用し続けなければならない。今後、IT部門はバックオフィスの技術と車の開発にかかるフロントエンドの技術(恐らくコストが非常にかかる必須機能)の両方を持たざるを得なくなる。
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