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クレームから生まれたある女性ファンとの絆「よなよなエール」流 ガチンコ経営(3/5 ページ)

地ビールブームが去り、売り上げが激減したヤッホーブルーイングにとって、再び事業を立て直すきっかけとなったのがネットの通信販売でした。今回は、販促のためのメルマガを巡り、顧客との間に起きた“大事件”を紹介します。

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 ただ、そんな状況の中、お一人だけは全く納得してくれませんでした。

 「そんなのは井手さんの勝手な都合です。私はあなたの話が出ているメルマガは読みたくない!」

 文章の雰囲気から40〜50歳代の女性の方です。私は諦めずに、改めてお詫びをしながら、もう少しこのタッチでやらせてほしい、よなよなエールを多くの方に広めていくためには、店長である私の顔が見えるこのメルマガの方が良いと思っているのです、不愉快にさせてしまい本当に申し訳ありません、という内容を書いて返信しました。

 それでもこのお客さんは、毎回メルマガを送るたびにクレームを伝えてきて、私はその都度、指摘された部分のおわびと、修正できる部分は改善するが、基本的にはこのタッチを今しばらく続けることへの理解を求める返信を書き続けました。正直、このお客さんのことを考えると心が痛みました。また、私の方も1回のやり取りをするだけで2〜3時間はかかり、時にはくじけそうになるのですが、それでも丁寧に心を込めて返信しました。普通の企業からすると費用対効果がかなり悪い対応なのかもしれません。ですが、よなよなエールファンを、自分のメルマガのせいで失うわけにはいかない、という思いで必死でした。

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