2015年7月27日以前の記事
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国内住宅の40%が空き家になる? それでも「空き家ビジネス」が難しい理由消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(6/10 ページ)

“民泊”を筆頭に盛り上がりを見せつつある「空き家ビジネス」。今後数十年で多くの国内住宅が空き家になると見込まれる一方、日本ならではの課題もある。そのポイントを分析してみたい。

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 1つ目は、日本の空き家を含めた中古住宅の質の悪さだ。

 欧米では「家は使う込むほど価値が高まる」と言われるほど、住宅を何世代にもわたってメンテナンスしながら使う文化がある。リフォームの際は、将来の売却価値まで考慮するなど、不動産価値を維持・向上させることに居住者の関心も高い。

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ヨーロッパの街並み

 しかし、日本では新築時が最も価値が高く、およそ20年でその価値はゼロになるとされている。一代限りの「使い捨て」が前提で、不動産の価値を維持・向上させる意欲は低い。その結果、日本の市場で売りに出される空き家は欧米に比べ、質が悪いものが多い。

 使い捨てを前提に住む人が圧倒的多数を占める日本では、従来は中古住宅を売りに出すことも少なかった。一戸建て住宅の隠れた欠点の検査ノウハウを持つ人材も、まだまだ不足している。

 そのため、空き家購入を考える人も、隠れた欠点を確認する手間やコストが掛かりすぎている。特に、欠点を発見しにくいとされる一戸建てでそのデメリットが大きい。

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