告白方法もアドバイス 成婚率5割を超える婚活サービスが急成長しているわけ:ポーター賞企業に学ぶ、ライバルに差をつける競争戦略(5/6 ページ)
2000年に日本初のインターネット結婚情報サービスを開始したのを皮切りに、現在では包括的な婚活支援サービスを提供しているIBJ。会員の成婚率は5割超えという、業界でも高い数字を誇っている。そんな同社の取り組みを石坂社長に聞いた。
検索よりもUIを強化
大薗: 会員をアクティブにするために取り組んでいることはありますか?
石坂: Webサービスの利用が中心ですので、日々PCやスマートフォンのUI(ユーザーインタフェース)改善を図っています。
会員はプロフィール写真を最も重視していて、あとは年齢や年収を見たりしています。ただ、顔写真と年収などの条件だけだと、一部の人しか評価されない気がしますよね。そこで最近はソーシャルメディア要素を織り込むようにしました。日記機能を付けたり、「Instagram」のようにその人のライフスタイルがイメージできるような写真投稿機能を設けたり、もう少しファジーな方向に広げています。
サービスリリース当初は、いかに優れた検索システムを作るかが大事だったのですが、スマホ時代は検索機能をいくら精緻(せいち)にしても、誰も検索しません。それよりも、ソーシャルメディア的な機能や、入会時に登録した条件や行動履歴をベースにしたレコメンデーション機能を強化する方が、よほど効果があります。
大薗: 検索はしてくれないんですね。
石坂: いや、最初は検索しますよ。女性は男性の年収で検索するし、男性は年齢で検索するし(笑)。けれども、それだけではマーケットが限定的になって切ないので、会員が出会いのきっかけをいかに作れるか、そのためのUI改善に取り組んでいます。
その次に大事なのは、いかに1対1でリアルに会うかということです。これをツール上だけでできてしまう会員もいれば、人手によるアナログなサポートを必要とする会員もいます。実は1対1のデートやお見合いの数が成婚に向けた一番の母数になります。n対nのパーティーに100回参加すれば成婚率が上がるかというと、そういうことはありません。
ツールは出会いのきっかけを作るマッチング段階まではすごく使えるのですが、交際や結婚の判断を促す部分では人手がどうしても必要だと思っています。システムとアナログの両面的なサービスが重要であり、それが僕らの強みでもあります。
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