私が愛さずにはいられないパグの話:内田恭子の「いつもそばに本があった」(2/3 ページ)
キャスターの内田恭子さんが愛して止まない犬のパグ。その魅力はどこにあるのでしょうか。実際、毎日一緒に暮らす中で感じたことなどからお伝えします。
けれども、初めて犬を飼うというのはハードルの高いもの。ペットショップに行けば、可愛い犬が勢ぞろいしているけれど、一度抱っこしてしまうとその可愛さに麻痺(まひ)してしまい、なかなか冷静に考えられません。どんな性格の子かも分からないし、健康状態も気になるし、値段の相場もよく分からない。そんなわけでなかなかペットショップには足が向けられない状況でした。
でも縁があれば、やっぱりやって来るものですね。それは人も犬も一緒。たまたま彼の知り合いから「パグの赤ちゃんが生まれたから見に来ませんか?」とのお声掛けが。考えてみれば、あの前も後にもそんなお誘いなんていただいたことがない。まさに「今ですよ!」というタイミングだったのです。彼と一緒にパグの赤ちゃんたちを見に行って、一番元気の良い男の子を選んできました。あまりのかわいさにすぐにでも連れて帰りたかったものの、しばらくはお母さんパグのミルクをたっぷり飲んで免疫力を高めてから、ということになりました。
数カ月間の思いが募っていたのか、初めて家に連れて帰ったときのことは忘れません。車の中で不安げにお母さんの匂いのついたタオルに鼻をこすりつけながらキュンキュンと泣いていたトッド(既に名前は決まっていました)。膝の上で細かく震えているのをなでてあげながら、「私が守ってあげるから!」と何度も思ったのでした。初めて私の中で母性が芽生えた瞬間でした(笑)。
今では13歳のおじいちゃんになったトッド。気が付けば私が守ってあげるどころか、トッドは逆にいつも私たちを見守ってくれている存在になりました。結婚、2度の出産と、人生で大きな節目をたくさん迎えてきた中でいつも一緒のトッド。パグのおどけっぷりには何も抵抗ができないと本書でも語られている通り、どんなときも良い意味で私たちを脱力させてくれます。
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