トヨタ、16年4〜12月期営業益32.5%減 通期は上方修正:注目の米国情勢にも言及(2/2 ページ)
トヨタ自動車が発表した2016年4〜12月期連結業績は、営業利益が前年同期比32.5%減の1兆5554億円だった。17年3月期通期見通しは、為替の円安傾向により業績予想を上方修正している。決算会見で役員が米国情勢の見通しやスズキとの提携などについて語った。
米国市場の見通しは
――業績予想を上方修正した。
大竹氏 前回の公表から営業利益を1500億円上方修正した。要因は為替変動の影響が大きい。一方、原価改善は進んだが、販売面の影響が大きくマイナスとなっている。米国の中古車市場において、リースの満期車両の台数が増加し、中古車価格が軟調に推移するのではないかと予想した。
――17年度の見通しについて。
大竹氏 米国新政権の経済政策で景気回復の期待が生じているが、通商政策によるグローバル貿易への影響はリスクとなる可能性がある。欧州の政治動向なども含め、さまざまなリスク要素を注視していく。
――米国市場の見通しは。
大竹氏 16年の米国自動車市場は1755万台のマーケットだった。17年は1720万台程度の見通しで、依然大きなマーケットだ。一方、市場の構成はライトトラックやSUVにシフトしており、乗用車セグメントは厳しい状況が続くだろう。
トヨタとしては市場全体が前年割れでも、「カムリ」や「C-HR」などの新型車の販売促進、ライトトラックの供給改善により、前年並みを見込んでいる。販売店へのインセンティブ(販売奨励金)は業界全体で上昇しているが、台数と収益のバランスが取れたオペレーションを展開したい。
――トランプ政権の政策による影響について。
大竹氏 現時点では、影響を見通すことは難しい。引き続き動向を見守りたい。トヨタはどこの国でも、その町一番の会社になることを目指してきた。米国でも地域に根差して雇用や投資、産業、サービスに貢献してきた。今後も良き企業市民として取り組んでいきたい。
――2月10日の日米首脳会談に対する期待は。
早川氏 日米関係の安定、両国の経済の反映に向けてコミュニケーションを図ってもらいたい。両国間のトップの信頼関係が重要だ。
――スズキと業務提携に向けた覚書を締結した。
早川氏 今回、提携を進めていく項目について合意の覚書を締結できた。環境、安全、情報技術など多方面にわたる技術提携に取り組むトヨタとしては、業界内の仲間作り、ルール作りが従来以上に必要だと考えている。スズキからは、スピード感のある仕事の進め方に学ぶ点がたくさんある。
――資本提携の話し合いはしているのか。
早川氏 16年10月のトップ会見で、ゆっくり考えると申し上げた。今もその状況は変わっていない。
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