自分の価値を取引する「VALU」の存在価値は?:“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)
自分の価値を取引するという新しい概念を提唱した新サービス「VALU(バリュー)」。既に自身を“上場”した人は1万人を超えているそうだが、VALUとはどのようなサービスで、どのような可能性があるのか。改めて整理してみた。
会社の上場と異なる点
だが同じ株式の発行や、上場といっても、会社の上場とVALUによる個人の上場には大きな違いがある。会社の株式は会社の所有権や経営権(株主総会での議決権)と引き替えに発行されるものなので、株式を所有している人は、部分的とはいえ会社の支配権を持っている。
また一般的に企業は、配当など株主に対して利益を還元しており、株式は収益を生み出す金融商品として流通している。株価も、最終的にはその企業が将来、どれだけの利益(もしくはキャッシュフロー)を生み出せるのかという部分で決まってくる。
ところがVALUの疑似株式はこのどれにも当てはまらない。個人が発行した株式を所有していても、その個人を支配できるわけではなく、配当などが確約されているわけでもない。VALUでは株式を発行した人が、買ってくれた人に対して何らかのお礼をする仕組みは用意しているが、ここで配当などを確約してしまうと出資法など既存の法律に抵触する可能性がある。
個人を資金的に援助する仕組みとしては既に、ネット上でプロジェクトの資金調達を行うクラウドファンディングがある。だがクラウドファンディングは個人が行う特定のプロジェクトを支援するというニュアンスが強い。VALUの場合には、特定のプロジェクトが明示されているわけではなく、単純に個人そのものに値段が付く。この点が大きく異なっている。
そうなってくると、VALUの疑似株式を購入する人は、何を目的にお金を出すのだろうか。基本的には疑似株式を発行する人を応援したいからお金を出す、あるいは、その人の人気が今後上昇し、株価が上がって利益が出ることを期待して買うということになる。
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