NewSpaceのハブを目指すルクセンブルクの戦略とは?:宇宙ビジネスの新潮流(3/3 ページ)
欧州で初めて民間宇宙ビジネスをテーマにした大規模カンファレンスが開かれた。開催地はルクセンブルク。この国は宇宙ビジネス分野で何を目指すのだろうか。
産業発展のキーワードは「官民連携」
今回のキーノートの中ではPPP(Public Private Partnership)の重要性も語られた。PPPは日本では官民連携などと訳されるが、政府と民間企業が双方で資金を出し合い開発プロジェクトを実施したり、双方がパートナーとして事業を行ったりといった協力形態であり、宇宙業界では伝統的手法である。
SpaceXのショットウェル社長は「ファルコン9やドラゴンの開発はPPPで行われた。この業界で約30年働いているが、NASAおよび政府が投下した4億600万ドルはこれまでの最も素晴らしい投資の1つだ。BFRの開発も政府による投資を強く期待している」と発言。
また、ルクセンブルク政府のシュナイダー副首相は、18年に同国初となる宇宙機関の創設を目指していることを言及したが、「従来のモデルとは異なり、政府、個人投資家、ベンチャーキャピタルの官民連携になる」と語った。ルクセンブルクを舞台に加速するNewSpace、継続してその動向を追っていきたい。
著者プロフィール
石田 真康(MASAYASU ISHIDA)
A.T. カーニー株式会社 プリンシパル
ハイテク・IT業界、自動車業界などを中心に、15年のコンサルティング経験。東京大学工学部卒。内閣府 宇宙政策委員会 宇宙民生利用部会 委員。日本初の民間宇宙ビジネスカンファレンスを主催する一般社団法人SPACETIDE共同創業者 兼 代表理事。日本発の民間月面無人探査を目指すチーム「HAKUTO(ハクト)」のプロボノメンバー。著書に「宇宙ビジネス入門 Newspace革命の全貌」(日経BP社)。
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