メルシャンのチリワイン主力ブランド、2年で売り上げ倍増:今年は新商品も
メルシャンが国内で取り扱うチリワインの主力ブランド「カッシェロ・デル・ディアブロ」の2017年の売り上げが11万ケースに。15年比で約2倍に増えた。
メルシャンが打ち出した2018年のワイン事業戦略において、チリワインの主力ブランド「カッシェロ・デル・ディアブロ」の売り上げ目標を前年比18%増の13万ケースにするとした。チリワインの国内消費拡大を追い風に新商品を矢継ぎ早に発売する。
カッシェロ・デル・ディアブロは、チリのワイナリー最大手、コンチャ・イ・トロが製造するブランドで、世界140カ国以上で年間約500万ケースが販売されている。メルシャンでは14年に取り扱いを開始し、17年の売り上げは11万ケースに上った。15年比で約2倍という急成長ぶりだ。
背景には国内のチリワイン市場拡大がある。チリワイン(スティルワイン)の輸入量は15年にフランスを抜いてトップに立ち、16年は5054万キロリットルだった。コストパフォーマンスの良さなどが消費者から支持されている。
そうした中でメルシャンは2月27日に187ミリリットルの小容量タイプを新発売して消費者の試し買いを喚起するほか、20〜30代のワインライト・ミドルユーザーを狙った新商品「カッシェロ・デル・ディアブロ レッド・ブレンド」を発売する。
さらに6月26日には夏限定のロゼワイン、9月18日にはパッケージをハロウィン仕様にした秋限定の商品を発売する予定だ。
メルシャンが00年から国内で販売するコンチャ・イ・トロのワインブランド「フロンテラ」も好調だ。17年の年間販売数量は前年比5%増の50万ケースを突破して過去最高に。累計販売本数は5000万本を超えた。18年は56万ケースを目指す。
8種類の既存商品に加えて、2月27日に新シリーズ「フロンテラ プレミアム」4種類を発売する。ブドウの収穫方法や収穫時間、ワインの造り方などにこだわったワンランク上の商品として、「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シャルドネ」「ナイト・ハーベスト レッド」「ナイト・ハーベスト ホワイト」を提供する。
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