私たちの心は「スマホ」に乗っ取られたのか:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
海外メディアを見ていると、以前からデジタル機器に人々が依存している問題が話題になっているが、最近、またスポットライトが当たっている。デジタル機器やコンテンツへの依存は私たちにどんな影響があるのか。調べてみると……。
子ども向けのサービスが批判の的に
こんな調査結果もある。SNSを頻繁に利用している中学生は、一般的な生徒よりもうつ病になる比率が27%も高い。またある調査では、スマホなどのテクノロジーを使う子どもほど睡眠時間が短くなるという。
デジタル依存の問題を指摘しているのは、この書簡だけではない。別の活動団体も積極的に声を上げている。特にこのところ、大手のIT企業が子ども向けのサービスを開始しているが、それらが批判の的になっているのである。
例えば、大手SNSのFacebookは12月、子ども向けのメッセージサービスを開始。「メッセンジャーキッズ」と呼ばれるそのアプリは、写真をカラフルに彩ることができるもので、それまで13歳だった利用者年齢をさらに下げることになる。
このサービスは親の監視が入ることになっているが、それでも「広告のない小児期キャンペーン」という活動団体が反対の狼煙(のろし)を上げ、「まだ判断力のない」子どもの「健全な成長に有害」なためにSNSを使わせるべきではないと批判している。
また昨年には、子ども向けのYouTubeである「YouTube Kids」というアプリが不適切な動画を流しているとして、米国で批判的な記事が報じられたりしている。
そして今、こうした問題意識の高まりに対処するために、大手IT企業の成功を支えてきた初期の元社員たちが立ち上がっており、欧米で大きく報じられている。
元グーグルの倫理士や、Facebookの元幹部や元運用管理者、アップルやグーグルの広報幹部、Facebookの「いいね」ボタンを開発した人物のほかに、投資家など専門家らが集結し立ち上げていた「人道的テクノロジーセンター」という組織が、デジタル機器の依存症と戦うための「テックの真実」というキャンペーンを開始した。
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