女子アナから働き方を変えた前田有紀さんがいま伝えたいこと:好きをカタチにする行動力(3/6 ページ)
テレビ朝日のアナウンサーとして活躍した前田有紀さんは、入社10年という区切りの年に退社。そこからフラワーやガーデニングの世界に飛び込んだ。彼女自身の歩みを振り返りながら、いま、そしてこれからをじっくりと語ってくれた。
泥だらけの姿に生きがい
そして前田さんは英国へと渡る。花と一緒に庭のことも勉強したいと考え、フラワースクールやガーデニングの仕事がたくさんある英国を選んだのだ。
好きだという気持ちが強いとはいえ、まったく経験がない中で数多くの苦労があったのではと見受けられるが、前田さんは「すごく楽しくて、これは絶対に仕事にしたいと強く思いました」と笑顔で応える。
特に、中世の古城でのガーデニングのインターンは、今までやってきた仕事とは真逆で、肉体労働そのもの。朝早く出勤してガーデナー用の靴に履き替え、雑草取りやバラのメンテナンスなどに終日費やす。手にとげは刺さるし、虫はたくさん出てくるし、自分自身も泥だらけになっていた。
「ちょっと前までは、きれいな衣装を誰かが用意してくれて、メイクをしてもらって、ハイヒールを履いて、テレビの前で笑っていたのに、えらい変わりようだなと思いました」
鏡をふと見たら、ぼさぼさな頭で、土や草木で全身汚れている自分がいて、思わず笑ってしまったそうだ。そして、今の姿の方が自分らしいと思った。生きがいを感じた。
よく考えてみたら、子どものころから大自然が好きで、大学時代も汗水流して、部活に熱中していた。自然の中に身を委ねて、自分らしさを表現していたのだ。日本に帰ってからもきちんと修行して、絶対にこれを職業にしたいなと決心がついたという。
「それまでは漠然と、花と植物の仕事がしたいなというふわふわした感じで、とりあえず英国に行きました。けれども、実際にその世界に身を置いてはっきりと分かりました。もうアナウンサーに戻ることは絶対になくて、生涯、花と植物の仕事で生きていくぞと心に誓ったのです」
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