なぜ伝説のプロデューサーは天才たちをディスりまくったのか:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
最近、米国で著名人たちのインタビューが物議を醸している。インタビューの中で最も強烈な発言をしたのは、伝説的な米音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズだ。とんでも主張の数々に、後に本人がことの重大さに気付いて謝罪するという事態になっている。
偉大な大物ミュージシャンたちをコケに
特筆すべきは、これまで一緒に仕事をしたことがある偉大な大物ミュージシャンたちをコケにしていることだ。
筆頭はザ・ビートルズ。ジョーンズは「ビートルズは世界でも最悪なミュージシャンだった。演奏できないやつらだった。ポール(・マッカートニー)はオレが知る中で最も下手なベーシストだったし、リンゴ(・スター)は……話題にもしたくないね」と答えている。天下のビートルズをつかまえて、「下手」呼ばわして説得力があるのは、もはやジョーンズくらいしかいないだろうが、辛辣(しんらつ)すぎる感は否めない。
さらにジョーンズは、伝説的なエンターテイナー、マイケル・ジャクソンにも毒を吐く。ジョーンズは、マイケルに直接、整形疑惑を問いただしたことがあると語る。お前整形してるだろ――そんなジョーンズの意地悪な問いに、マイケルは「持病があるからしょうがいないんだ」と正当化していたという。ジョーンズは取材の中でマイケルの言い訳は「嘘っぱちだ」と一刀両断にしている。
マイケル・ジャクソンについてはさらに切り込んでいる。「(マイケルは)かなり欲深い男だった。欲が深いんだよ」と語り、「これを公にするのはあれだが、マイケルはいろいろと盗んだ。人から多くの曲を盗んだんだ」と、マイケルが盗作したと暴露しているのである。
かなりオリジナリティが高いイメージのマイケルが実は人から曲をパクっていた――衝撃の事実である。具体的には、米歌手ドナ・サマーの「ステート・オブ・インディペンデンス」という曲をパクって、マイケルは代表作『ビリー・ジーン』のリフを作ったと、当時どちらの曲でもプロデューサーだったジョーンズが明らかにしている。実際に目の前で見ていたジョーンズが言うのだから間違いないのだろう。
また発言は俳優にも及ぶ。映画『ゴッドファーザー』のゴッドファーザー役で知られた米大物俳優マーロン・ブランドについては、「(ブランドは)なんでもセックスした。とにかく、なんでもかんでもだ! 郵便ポストとでもセックスしただろう」と語った。さらにブランドが「(米黒人作家の)ジェイムズ・ボールドウィン、(米黒人コメディアンの)リチャード・プライヤー、(米黒人歌手の)マーヴィン・ゲイ」と同性同士で関係を持ったという。とんでもない暴露話に、欧米のゴシップメディアは色めき立った。
さらには歴史的で政治的な話も語っている。ジョーンズは、現在米国のファースト・ドーターで、大統領補佐官のイヴァンカ・トランプと「付き合っていた」とも発言している。12年ほど前、イヴァンカ(当時25歳)から食事に誘われたのがきっかけだったという。「オレがこれまでの人生で見た中で最も美しい脚をしている」と述べ、「ただ父親だけが残念だが」と付け加えている。
関連記事
- 仮想通貨の父「サトシ・ナカモト」の正体がバレているのは本当か
仮想通貨の代表格であるビットコインを発明したサトシ・ナカモトとは、何者なのか。数々のメディアが「この人物がナカモトだ」と報じたが、いずれも誤報。真相は闇に……と思われたが、ナカモトの正体を知っている人がいるとの話が出てきた。それは……。 - 実は怖い、インド便のトイレ
航空会社のトラブルが相次いでいる。男性が警察に引きずり出されたり、母親がベビーカーを奪われたり。いずれも米国の航空会社で起きたわけだが、客室乗務員によると「インド便で深刻な問題がある」という。どういうことかというと……。 - なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!? - 核シェルターが売れているのに、なぜ業者は憂うつなのか
北朝鮮が6度目の核実験を実施した。自分の身を守るために「核シェルター」の販売数が伸びているそうだが、業者からは困惑の声も。どういうことかというと……。 - 北朝鮮が攻撃できない、米国も攻撃できない背景
北朝鮮が攻撃してくるかもしれない――。何度もミサイル実験を繰り返されると、多くの人がこのような不安を感じるかもしれない。では、米国政府はミサイル問題をどのようにとらえているのか。実は……。 - 金正男だけでない!? 殺人工作のリアル
金正日総書記の長男である金正男が、女性2人に襲われて暗殺される事件があった。この事件は大きく報じられているが、実は世界を見渡せば、国家が絡んでいるとされる秘密工作は少なくない。例えば……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.