なぜ伝説のプロデューサーは天才たちをディスりまくったのか:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
最近、米国で著名人たちのインタビューが物議を醸している。インタビューの中で最も強烈な発言をしたのは、伝説的な米音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズだ。とんでも主張の数々に、後に本人がことの重大さに気付いて謝罪するという事態になっている。
やはり常人ではない
ただ実際には、それとは別に、今回のような話をこのタイミングで語った理由がある。ジョーンズは次の3月14日で85歳を迎える。つまり誕生日に、蔵出しで読者へ特別なプレゼントをしたのだ……というわけではなく、85歳になるのに合わせてドキュメンタリー映画を公開するのだという。
要は「番宣」だったのである。
ジョーンズをもってしても、そんな話題性が必要になるということだろうか。ただ見方によっては、その商売っ気こそが、ジョーンズに4億ドルの資産をもたらし、多くの友人たちが亡くなっていく中で85歳になっても意気軒昂なジョーンズの元気の源になっているのではないだろうか。
ちなみにGQ誌のインタビューで「110歳まで生きる」と宣言するジョーンズは今、彼女が世界中に22人いると言う。何度も確認する記者に、「いるよ、あちらこちらにね」「下は28歳から上は42歳だね」と答えたジョーンズ。
やはり常人ではないようだ。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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