「民泊」解禁目前 “先輩”国で起きているトンデモ事件とは:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
6月の住宅宿泊事業法(民泊法)の施行を目前に控え、民泊に関するニュースをよく聞くようになった。民泊をすでに導入している“先輩”国で起きている出来事とは……
柔軟に対応していけばいい
とにかく、民泊が日本全土で本格始動すれば、いろいろとニュースを騒がすことになるかもしれない。ただ日本国内での利用状況を見つつ、政府や自治体が追加の規制や対策をするなど、柔軟に対応していけばいい。
世界では、有数の宿泊施設の登録者数を誇るフランスでも、最近どんどん規制を強化している。例えばパリ市は、年間の営業日数120日(日本では180日)という制限を超えて営業した施設に罰金を科していたが、17年8月にその金額を大幅に増額している。また、フランス政府はモグリの民泊を問題視し、18年3月にエアビーアンドビーに対して、モグリの宿泊施設を利用可能リストに掲載したら罰金を科すと発表している。
日本で迫っている民泊法の施行。民泊やタクシーの相乗りといったシェアリングエコノミーがなかなか進まない日本だが、民泊法がスタートすることで新たな流れができるかもしれない。ただ民泊については、すでに世界で起きているようなトンデモな出来事も、ある程度は想定しておく必要があるだろう。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
関連記事
- 民泊事件で使われた、出会い系アプリ「Tinder」の実態
兵庫県三田市の女性(27)を殺害したとして、米国籍のヴァシリエヴィチ容疑者が逮捕された。容疑者と被害者が知り合ったのは「Tinder(ティンダー)」というアプリだったそうだが、こうした出会い系アプリを使うことでどんな事件が起きているのか。海外に目を向けると……。 - ビジネスパーソンの副業の落とし穴! 知らないと怖い「民泊ビジネスと法律」
もともと不動産投資に関心があり、インバウンド需要の盛り上がりに伴って「民泊ビジネス」に魅力を感じる――というビジネスパーソンも増えているのでは。しかし民泊ビジネスは現状、問題が多い状態にある。“落とし穴”にハマらないために必要な「法律」の知識とは? - これから急増する英語教師を「警戒」すべきか
都立高校に勤める米国人の英語教師が、16歳の女子高生にわいせつ行為をしたとして逮捕された。このようなニュースが報じられると、「外国人は危ない」といった声が出てくるが、本当にそうなのか。大切なことは……。【訂正】 - 仮想通貨の父「サトシ・ナカモト」の正体がバレているのは本当か
仮想通貨の代表格であるビットコインを発明したサトシ・ナカモトとは、何者なのか。数々のメディアが「この人物がナカモトだ」と報じたが、いずれも誤報。真相は闇に……と思われたが、ナカモトの正体を知っている人がいるとの話が出てきた。それは……。 - 海外で「児童婚」が問題に、日本はどうする?
最近、海外のメディアで「児童婚」のニュースをよく目にする。未成年者の結婚が問題になっていて、結婚年齢を引き上げる国が増えてきている。こうした動きに対して、日本はどうするのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.