「民泊」解禁目前 “先輩”国で起きているトンデモ事件とは:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
6月の住宅宿泊事業法(民泊法)の施行を目前に控え、民泊に関するニュースをよく聞くようになった。民泊をすでに導入している“先輩”国で起きている出来事とは……
民泊ならではのトラブルも
1つはっきりさせておきたいが、もちろんほとんどの民泊施設や宿泊者は至って常識的であり、何ら違法行為や迷惑行為に関与していない。だが一部、とんでもないケースが起きているのも確かで、民泊ならではのひどいトラブルがあるのも事実だ。そして特に、すでに民泊が広がっている欧米では、「民泊の不快な出来事」を紹介するようなサイトも多く見かけるようになっている。
そんなサイトにはいろいろなケースが登場するが、例えば、パーティーが行われてテレビなどの備品が破壊されてしまった話や、オーストラリアのシドニーでは、子どもを病院に通わせる目的と伝えて10日間滞在した利用者が、その部屋を麻薬を使うための「薬物中毒者の隠れ家」のような状態にしてしまったというケースもある。火事を起こされてしまった話もある。
民泊は、貸す方も大変なことになりかねない。ベッドを不快に汚されてしまった、トイレを壊されてその後はシャワールームがトイレ代わりに使われた、貸した部屋の住所で住民登録をしてしまう人がいた、などなど。とにかく読んでるだけで不快になるような話があふれている。
笑えないこんな事例もある。米ニューヨーク・タイムズ紙は、19歳の米国人男性がスペインの民泊に宿泊したが、トランスジェンダーである主人が包丁をもって性的関係を求めたという話を掲載している。この男性は恐れをなして部屋に逃げ込み、鍵を掛け、米国にいる母親に国際電話をかけて助けを求めた。警察に通報すべく母親はすぐに仲介業者に連絡したが、業者はその宿泊先の住所などを教えられないとし、結局、男性はその夜に性的暴行を受けた。後日、主人を告発しようも、主人は全ては合意のもとだったと主張。被害を受けた若い息子はカウンセリングに通う羽目になったという。
日本の場合は、マンションやアパートの一室を借りるというケースが多いはずで、このケースのように、同じ屋根の下に主人がいる、というのは珍しいかもしれない。だが、その部屋の持ち主が何をするか分からないという怖さはあるし、部屋に自由に出入りできる主人が近くに住んでいるケースも多いだろう。実際に日本では、部屋に監視カメラが取り付けられていたという盗撮事件も報じられている。
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