1センチ単位で指定できる家具サービスの舞台裏:ありそうでなかった(1/4 ページ)
「デザインは好きだけどサイズが大きすぎて諦めた」「ちょうどいいサイズだけど色が気にくわない」――家具を買うときに、こんな経験をした人も多いだろう。そんな不満を解消するサービスが2018年3月に誕生した。自分の好きな色やサイズの家具を手ごろな価格で購入できるビジネスが実現するまでには多くの苦労があった。
「部屋の間取りにあう家具がないので、スペースを有効活用できない」「デザインは気に入ったけどサイズが大きすぎる」「サイズはちょうどいいけど、色が気に入らない」――家具を買うときにこんな経験をした読者も多いだろう。
2018年3月、オンラインで自分の好きなサイズや色の家具を注文できる「Yourniture.」というサービスがスタートした。運営するのはベンチャー企業のユアニチャー(東京都港区)。通常、1点物の家具というと高額になりがちだが、量販店と同程度の価格で家具を提供している。
ありそうでなかったこのサービスが生まれた背景には「独自のテクノロジー」と「工場担当者との泥臭い交渉」があった。サービスを実現するために奮闘した峯浦(みねうら)望社長に話を聞いた。
ネットで簡単に注文可能
まず、「Yourniture.」の概要を説明しよう。
家具の注文は専用サイトで行う。販売している商品は「SIMPLE BOX」という箱だ(18年4月時点)。幅、高さ、奥行を10センチから50センチまで選ぶことが可能で、1センチ単位で調整できる。色は「Milk White」や「Marron Brown」など10種類から選ぶ。注文する数量を入力すると、自動で価格が表示される。例えば、幅50センチ、高さ20センチ、奥行30センチで注文すると3582円(税抜)と表示される。送料は都内の場合1000円程度だ。
注文が完了すると家具の図面が自動で生成され、製造指示書がインドネシアの工場に送られる。あとは、生産ラインで工場の職人が加工するという流れだ。
一見すると非常にシンプルに見えるが、実現するまでには多くの苦労があった。
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