雨の日にこそ客が来る!? ファミマ、コインランドリーと合体:フィットネス併設、民泊と連携… 進化するコンビニ(2/2 ページ)
ファミリーマートがコインランドリーと一体型の新店舗をオープンした。コンビニ側にランドリー用品を充実させるなど「ついで買い」による相乗効果を狙う。
雨の日にこそ客が来る
ファミリーマートの担当者によると、既に千葉の併設型1号店でも洗剤などランドリー用品の売り上げが急増。さらに待ち時間にイートインを使う人も増え、ファストフードやコーヒーが売れている。「千葉の店舗でコインランドリーからコンビニへ流れる客は30%。相乗効果は確実に出ている」(担当者)。
店があるのは都心の閑静な住宅街。ファミリーマートの担当者によると近隣には数店のコインランドリーがあるが、駐車場がない店が多いという。新店舗はコンビニとコインランドリー共用の駐車場を備え、大量にまとめ洗いしたいニーズに応える。
実際この日、コインランドリーに毛布を持ち込んだ東京都杉並区の60代女性は「お買い物もできるからいいじゃない。車も停められるしね」と話す。
コインランドリーにはコンビニ特有の弱点を補う役目も期待する。「普通、雨の日はコンビニへの来店が減る。しかし、コインランドリーはむしろ雨の日にこそ相乗効果が期待できる」(ファミリーマートの担当者)。
また、人手不足の折、無人という業態のため店員へ負担をかけずに収益アップにつながるとみる。ファミリーマートは相乗効果を検証しながら1年目は50店舗、2年目には300店舗の出店を目指す。
これまでもフィットネス併設型店舗や民泊との連携など、ライフスタイルや市場の変化に合わせた施策を打ち出してきたファミリーマート。コインランドリーの展開も、「共働きや単身世帯、外干し禁止のタワーマンション住民などの増加で需要は高いと判断した」(担当者)。新業態はコンビニへの新たなニーズを創出できるか。
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