世界初「たこ焼きロボット」は、“プロ”を超えることができるのか:水曜インタビュー劇場(くるくる公演)(6/7 ページ)
世界初の「たこ焼きロボット」が、長崎のハウステンボスに登場した。ロボットは、たこ焼き器への油引き、生地入れ、返し、焼き加減の調節、盛り付けなど行うわけだが、味はどうなのか。また、プロの味を超える日はやってくるのか。ロボットの生みの親に聞いた。
「データを生かした焼き方」はロボットが得意
沢登: 数年で超えるかもしれません。なぜこのようなことが言えるのかというと、ロボットはデータを蓄積していて、そのデータを生かして、よりおいしくつくることができるようになっているから。たこ焼きは気温であったり、湿度であったり、つくっている環境によって味が左右されるんですよね。沖縄でうまくつくれる人が、北海道でも同じようにつくれるとは限りません。気温や湿度が違っているので、焼き加減で失敗するかもしれない。逆も然りで、北海道でうまく焼ける人が、沖縄でもおいしく焼けるとは限りません。
人間はそうした状況に合わせてつくることを苦手にしていますが、ロボットはデータを生かしてつくり方を調整できる。数年後には気温や湿度などを取り入れながら、焼く時間を変えたり、焼き方を変えたり、返しの時間を速くしたり、遅くしたりすることができるようになるでしょう。だからといって、「人間よりもロボットのほうが優秀だ」と言うつもりはありません。データを生かした焼き方は、人間よりもロボットのほうが優れている、という日がやって来るのかなあと。
土肥: ふむふむ。ところで、先ほどから気になっているのですが、何かいい香りがしますよね(取材は研究室がある近くの部屋で行われていた)。ひょっとして、たこ焼きを焼いていますか?
沢登: はい。某たこ焼きチェーンの依頼で、ロボットを導入できるかどうか、その研究を進めていまして。
土肥: うまくいくと、全国でたこ焼きロボットが活躍する日がやって来るかもしれないと。将来、本場の関西でこのような会話が交わされるかもしれません。
「その昔、たこ焼きって人間がつくってたそうやで」
「ほんまに? ウチ、焼いたことないわ」
(終わり)
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