なぜ「お化け屋敷」で人は“ビビる”のか 仕掛人に聞いた:水曜インタビュー劇場(ぎゃあああ公演)(4/7 ページ)
テーマパークや遊園地などに行って、お化け屋敷に入ったことがある人も多いのでは。お化けが出てきたり、急に明るくなったり、風が出てきたり。さまざまな工夫を施しているわけだが、恐怖を生み出す仕掛人はどのようなことに着目しているのか。「株式会社 闇」の社長に話を聞いたところ……。
ホラーの見せ方、日本と米国で違い
頓花: 仮面を付けて、チェーンソーを振り回している人をどのように感じますか? 多くの日本人はそうした人物に恐怖を感じた経験がありません。
土肥: 見た目や行動は「怖そうだなあ」「ヤバそうだなあ」と感じるのですが、アイスホッケーのゴールキーパーが付けていそうな仮面を見ることはほとんどありませんし、チェーンソーに触れる機会もほとんどありません。そもそもアイスホッケーのゴールキーパーも仮面ではなくて、アメリカンフットボールの選手がかぶっていそうなヘルメットを着用しています。
頓花: 「ピエロ症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? メイクをしたピエロを見ると恐怖を感じる心理を意味していますが、日本人の場合はどうでしょうか。身近な存在でないこともあって、ピエロに恐怖を感じる人は少ない。恐怖のど真ん中にピエロは存在していないんですよね。じゃあ、日本人はどのようなものに恐怖を感じるのか。どのような原体験があるのか。古い日本家屋のなかにある畳、ふすま、たんす、日本人形、こけしなどに恐怖を感じる傾向があるんですよね。
とはいっても、すべての日本人が畳に恐怖を感じるわけではありません。若い人たちに昭和の日本家屋を見せても、あまり響かないことがある。じゃあ、若い人たちはどのようなものに恐怖を感じるのかというと、古い団地などに興味を示す傾向があるんですよね。
土肥: 日本家屋に住んだことがない、入ったこともない世代にとっては、身近でない。知らない存在なので、そこに恐怖を感じることができないわけですね。
頓花: 例えば、ゾンビ。米国の場合、キリスト教がベースになるので、自分がゾンビになるということは復活の日に呼んでもらえないことを意味する。そうなると天国に行けなくなる、復活できなくなる、救ってもらえなくなる、といった恐怖を感じる。
日本人の場合、宗教的な側面でゾンビを受け止める人は少ない。あと、日本のお化けは武器を手にして、殴りかかって来ることも少ない。一方、米国のお化けは武器を手にして、襲ってくる。こうした行動を怖いと感じるかどうか。文化的な側面、宗教的な側面によって、恐怖を感じるポイントって大きく違ってくるんですよね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
スーツのような作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が売れている。製造しているのはアパレルメーカーでもなく、作業着メーカーでもない。水道工事などを行っている会社がつくったわけだが、なぜこのような商品を開発したのか。その狙いを聞いたところ……。
なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!?
700台のカメラを設置して、スーパーの「トライアル」は何を分析しているのか
スーパーマーケットの「トライアル」が、近未来を感じさせられる店舗を構えた。店内には700台のカメラを設置して、人の動きや商品棚をウォッチしているという。最先端の技術を導入して、どんなことが分かってきたのか。
東京で「フードトラック」が、どんどん増えている秘密
平日の昼。毎日同じようなモノを食べていて、飽きているビジネスパーソンも多いのでは。そんなランチ難民とも言える人を救うかもしれないサービスが登場している。フードトラックと空きスペースがあるオフィスビルをマッチングさせるサービスで、そこで提供されるランチを利用する人が増えているのだ。
なぜ伊藤忠は18年ぶりに「独身寮」を復活させたのか
伊藤忠が18年ぶりに「独身寮」を復活させた。業績低迷を受けて、2000年に社有の寮を売却したのに、なぜこのタイミングで建てたのか。建物は7階建てで、部屋は361室。国内最大級の寮のナカはどうなっているのかというと……。
サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか
お詫びの手土産として、多くのサラリーマンが購入する「切腹最中(せっぷくもなか)」をご存じだろうか。1990年に発売したところ、当初は注目されていなかったが、いまでは多い日に7000個以上売れている。「切腹」という言葉が入っているのに、なぜヒット商品に成長したのか。
アタリの店はどこ? サラリーマンが愛する「立ち食いそば」事情
ランチや仕事の合い間に「立ち食いそば店」に入ったことがある人も多いのでは。「アタリ、ハズレが大きい」なかで、どこがオススメなのか。雑誌『極上 立ち食いそば』の編集者に、アタリの店を紹介してもらった。

