離職率28%だったサイボウズは、どうやってブラック企業から生まれ変わったのか:幸せと生産性を考える(2/3 ページ)
今から13年前、当時ベンチャーだったサイボウズは20人以上の社員が退社し、離職率が28%となりました。どんどん社員は辞めていくが、業務は山のようにあり、休日出勤も常態化しているといった、いわゆるブラックな労働環境だったという。そこからどうやってホワイト企業に生まれ変わったのだろうか。
「質問責任」と「説明責任」で、もやもやを解決する
サイボウズ社員が必ず守るルールの1つに、「質問責任」と「説明責任」があります。質問責任とは、「もやもやしたことは必ず聞かなければならない」ということ。分かりやすく言えば、もやもやを居酒屋などで愚痴るのではなく、「この人なら答えてくれそうだ」という人に必ず聞こう、ということです。
そして、聞かれた人には説明責任が生じます。説明責任とは、「聞かれたことは答えなければならない」ということ。「自分では分からない」も含めて、誠実に答えることを要求します。分からなければ、分かってそうな人に一緒に尋ねに行きます。
700人以上が働くサイボウズほどの企業規模の場合、このルールだと、尋ねる相手の2〜3人目には社長に行きつきますので、最終的には、社長に説明責任が生じる形になります。
説明責任は重要です。説明責任が果たされると、「自分の疑問に応えてくれる」という安心感が湧き起こり、信頼関係が生まれます。逆に、説明を求めた人に軽くあしらわれたり無下にされたりすると、質問をした人は2度と質問をしなくなります。
このルールを実直に行うことで、コミュニケーションの安心安全の場が保たれ、自分の意見を出すことのハードルが下がっていきます。サイボウズのコミュニケーションが活発なのは、各個人がもやもやを放置することなく、何でも質問したり意見を言ったりして、そのもやもやを受け止め対処するやり取りが、ところどころで見られるからなのです。
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