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100%コミットは前時代的 「全員複業ベンチャー」というTOMOSHIBIの新しい働き方組織づくりの新スタンダード(2/5 ページ)

「複業元年」と言われる2018年。企業も複業推奨を始めているが、実際に社員に複業を許すとなるとモチベーション維持やプロジェクト進行、マネジメントなど、会社側としては数々の課題が浮かんでくる。複業する人が増えていく中で、チームや組織として成果を最大限上げていくためにはどのような組織づくりが必要なのだろうか? メンバー全員が複業をしているという「全員複業ベンチャー」のTOMOSHIBI代表取締役の田中駆さんに話を伺い、これからの組織のあり方を探った。

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「100%コミットすべき」は前時代的。起業が複業の一つだっていい

――tomoshibiは代表の田中さん含め、運営メンバー全員が複業をしているというのも面白いですね。これには何か理由があるのでしょうか?

 一般的に「起業」というと、社長が全てをかなぐり捨てて、借金してでも100%の力を注いでやるべきだ、という風潮があると思うのですが、それって前時代的な気がしていました。「複業しながら起業なんて本気で取り組んでないんじゃないの?」という声もあるかもしれませんが、自分の本気度とその人の本気度を合わせる必要はないと思うんですよ。

 それに「起業家はその仕事1本じゃないといけない」は、「会社員は複業をしてはいけない」というのと、論理は同じ。起業家にとって本当に大切なのは、自分たちが価値を届けたい人たちに、きちんと届けることですよね。なのに、投資家とか他人に頑張っている姿を見せることばかりに躍起になるのは、本質的ではないと思うんです。

 もう一つの理由は、正直に言うと、自分自身が破滅的な挑戦をしたくなかったんです。いくつかの仕事を持っていれば、起業しても失敗のリスクは下がりますし、純粋に他にもやりたいことがたくさんあって、そのすべてを諦めきれなかった。だから、自然と複業という形に至ったんです。tomoshibi以外には、他社で新規事業開発やフォトグラファー、NPO法人の代表の仕事も引き続きやっています。起業は働き方の一つのスタイルでしかないと思います。

 それはメンバーについても同じ。今かかわってくれているメンバーは12人いますが、ほぼ全員が別の会社で正社員として週5日勤務しています。どんなにサービスに共感してくれたとしても、「今勤めている会社を辞めて来てほしい」となると、なかなか協力してくれる人はいません。そのため、会社員として働きながら、平日夜や土日など都合のつく時間に手伝ってもらう形に。メンバーとは雇用関係はありません。社員ではなく、チームメンバー、仲間という感じです。

 これまで、うちのようにメンバー全員が複業をしている組織はあまりありませんでした。だからこそ自分たちが実践し、ロールモデルになれればと。そのほうが、tomoshibiという仲間集めのためのサービスに対する説得力も増すのかなあって。

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