インタビュー
ゼロから50人に急増、なぜグロービスは異質のエンジニア採用に成功しているのか?:生まれ変わる組織(1/6 ページ)
ビジネススクールとして著名なグロービスが大変革を起こしている。2016年に初めてリードエンジニアを採用し、ビジネスおよび社内のデジタル化に力を入れているのだ。関係者を取材した。
1992年にマーケティングの講座を始めたのを皮切りに、2006年に経営大学院を開学するなど、今では社会人向けのビジネススクールとして大きな存在感を誇るグロービス。セミナーを受講したり、関連書籍を読んだりしたことのあるビジネスパーソンも多いのではないだろうか。
そんな同社は16年、ビジネスをさらに発展させるべく、大きな組織改革、事業変革を断行した。初めてリードエンジニアを採用したのだ。それ以降、後手に回っていたビジネスのデジタル化を支えるITエンジニア、デザイナー、データサイエンティストを積極的に採用し、たった数年で50人規模に。離職率は極めて低く、プロダクトの開発だけでなく既存ビジネスの業務効率化も実現するなど、期待以上の効果が出ているという。
近年、自社にないノウハウや新たな発想を求めて人材採用を行う企業は増えている。10月22日に安倍晋三首相が議長として開催した「第20回 未来投資会議」でも、企業の中途採用を拡大していく方針が示された。しかし、同質性が高く前例主義に慣れきった組織が、せっかく入った優秀な人材の能力を生かせないという話もよく聞く。
いわゆる「スーツを着たビジネスパーソン」ばかりだったグロービスは、ギーク文化を持つエンジニアたちをどのように迎え入れ、活躍できる状態にしたのだろうか。2人のITエンジニアと、彼らを採用した事業部長に聞いた。
関連記事
- 天才プログラマー・佐藤裕介は限界を感じていた――知られざる過去、そこで得たメルカリ対抗策
2018年2月に誕生したヘイ株式会社。代表取締役にはプログラマーの佐藤裕介さんが就任した。佐藤さんはGoogle出身で、フリークアウト、イグニスの2社を上場に導いた人物。そんな彼がheyを設立したのは、順風満帆に見えるキャリアの陰で抱えていた、自分のある「限界」を突破するためだった。 - 65歳でネスレに中途入社したベテラン営業マンが輝いている理由
大手メーカーで営業マンとして20年以上働き、50代で起業経験もある石川さんは、65歳でネスレ日本に入社した。上司や同僚にも仕事ぶりが評判だというが、そのわけとは――。 - 30歳で楽天を辞めた元副社長が私財を投じて学校を作る理由
かつて三木谷浩史とともに楽天を創業し、副社長を務めた本城慎之介。彼は2002年11月に30歳で楽天副社長を退社して以降、教育畑に転身した。現在は長野・軽井沢の地で幼稚園・小・中学校の混在校である「軽井沢風越学園」の開校を目指している。彼が成し遂げようとしていることの本質を探った。 - 弱みだった「人」をどう変えた? アルバイト出身の女性役員が語るスープストックトーキョー流の働き方
スープ専門店「Soup Stock Tokyo」を展開するスープストックトーキョーでは従業員の働きがいと働きやすさを推進し、顧客へのサービス向上や従業員のキャリア支援にもつなげようとしている。その取り組み内容や成果について、同社取締役の江澤身和さんに話を聞いた。 - ファンケルの「アクティブシニア社員」は会社に何をもたらすのか?
労働人口が減少する日本において、いち早くシニア世代が活躍する場所を作ろうとする企業が出てきている。化粧品と健康食品メーカーのファンケルでは65歳以上の社員が柔軟な勤務体系で働き続けられる「アクティブシニア社員」という制度を打ち出した。そこで活躍する社員に実際の話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.