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ゴーン氏逮捕は「ホリエモン、村上ファンドの時よりひどい」 郷原信郎弁護士が指摘:錯綜する日産事件報道の行方(3/3 ページ)
ゴーン・日産前会長の逮捕について郷原信郎弁護士が問題点を指摘。逮捕するほどの案件では無かった可能性や、解明へ公正中立な第三者委員会の必要性を説く。
中立な第三者委による解明を
郷原: あと、日産幹部の姿勢も問われている。この程度の話なら、内部調査の結果を検察と関係なく取締役会に上げて「会長がこんな悪いことをやっています」と手を挙げて解任決議を取ればよかった。でも実際は、検察に逮捕させて鬼の居ぬ間に解任手続きを取った。史上まれにみる、取締役会による“クーデター”ではないか。
――日産は第三者による調査委員会の設置も検討していると発表しています。
郷原: きちんとした第三者委を設置して、ゴーン前会長寄りでも検察寄りでもない本当に中立的な立場から経緯を明らかにしなくてはならない。最後の鍵はこの第三者委になると思う。誰でも納得できる予断を持たない人物が必要だ。できれば海外の識者を入れたら良いくらいだと思う。
本件は国策だとか官邸が関わったとか、米国の陰謀だとも言われているが、この程度の話ではそれはないだろう。(日産の)お家騒動に検察が関わったという話ではないか。
堀江貴文氏、村上ファンド事件の時より本件の捜査はひどいと感じた。ライブドア事件の時も不正確な記事がいっぱい出たが、今回のマスコミの報道もバランスが取れていないと思う。
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