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FGO運営会社がFGOと関係ないボードゲームを作る深い訳 塩川氏に直撃:遊び? 実は隠れた戦略が(3/3 ページ)
スマホゲーのFGO運営会社がボードゲームを制作。趣味ではなく新人社員への教育が狙い。ゲーム作りを最初から最後まで実践させて経験値を高める。
新人が「産みの苦しみ」味わう価値
11月には新人チームによるボードゲーム「CHAINsomnia〜アクマの城と子どもたち〜」を発表した。アクマの城からプレイヤーふんする子どものキャラクターたちが協力して脱出を試みるというコンセプトだ。キャラが「恐怖」を感じると行動できなくなったり、エンディングが複数あるなど工夫を凝らした。当日はカナイさんの手掛けたカードゲーム「The Last Brave」と並び、青山さんらが報道陣に胸を張って内容を説明した。
同月末に東京で開かれたボードゲームの祭典「ゲームマーケット」にもディライトワークスは初出展し、この2作を先行販売して完売にこぎつけた。青山さんは「遊んでいるユーザーから実際に『楽しい』『キャラが好き』と触れ合いながら感想を聞けるのがうれしかった」と振り返る。
塩川さんも「プロジェクトに最初から携われることは私たちでもなかなかない。ゼロの状態からゲームの産みの苦しみを味わってお客さんに届けることができた。(新人に)難易度は高いと思って作ってもらったが、良かった」とうなずく。
新卒不足の今、ゲームに限らずどこの業界でも悩みの種となるのが新人の育成方法だ。極端なOJTや空疎な研修でなく、業界で活躍するための基礎をどう新入社員に着実に学んでもらえるか。今回の取り組みは1つの答えと言えるかもしれない。
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