スターバックス元CEOの嫌われっぷりを加速させる「大迷惑」な挑戦:世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)
米スターバックスのハワード・シュルツ前CEOが2020年の大統領選に出馬する意向を示し、騒動になっている。トランプ大統領の再選を阻止したい有権者にとっては大きな迷惑となり、「出馬するな」という声が飛び交う。シュルツはなぜこんなにも嫌われているのか。
スターバックスのビジネス手法にも批判があった。12年にはニューヨークで営業していた地元のカフェを、家賃を多く払うことで追い出したことが話題になり、スターバックスの強引なやり方が批判されたこともある。また店内に銃を持ち込まないようにシュルツが「要請」し、銃所有の権利を主張する人たちから反発を受けたり、スターバックスが同性婚を支持すると宣言して保守派などからボイコットされたりしたこともあった。12年ごろには、欧州諸国で税金逃れをしていたことが指摘され、罰金を支払ったことも。もちろん、こうした批判の矛先はシュルツに向かった。
人種差別的な個人攻撃もあった。シュルツはユダヤ系だが、それだけでイスラエルと関係が近いという指摘が起き、それを快く思わない人たちからは冷たい目で見られている。
シュルツ出馬でトランプが有利に?
こんな具合で、スターバックスを一代で世界的なカフェへと築き上げたシュルツは、かなり好き嫌いの別れる経営者だと見られている。そんな人が無所属で出馬を検討しているというのだから、支持する声が上がらないのは当然だ。
人気のなさもさることながら、メディアなどでは、シュルツがトランプ勝利のアシストまでしてしまうのではないか、とまでたたかれている。なぜなら、シュルツが無所属として出馬することで、反共和党・反トランプの票が割れてしまい、民主党にかなり不利に働く可能性があるからだ。打倒トランプを旗印にするなら、候補者は1人が望ましい。先日ニューヨークで行われたイベントでも、観客からシュルツに対し「おい億万長者、トランプを勝たせるだけだろうが、自己中なクソ野郎が」と、出馬に苦言を呈すヤジが飛んで話題になった。
つまり彼が民主党以外の勢力として出馬すれば、確実にトランプ有利に働くため、どうしてもトランプの再選を阻止したい有権者の多くは、シュルツの動きにいら立っている。また専門家らは過去のデータから、票が割れれば現職(トランプ)に有利になるのは間違いないと指摘している。
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