アマゾンのベゾスCEO、不倫脅迫騒動があぶり出す「デジタル時代の危うさ」:世界を読み解くニュース・サロン(1/6 ページ)
米ネット通販大手アマゾンのジェフ・ベゾスCEOの離婚、不倫問題に関して、彼が米タブロイド紙から“脅迫”されたと主張し、騒動になっている。この問題から見えるのは、デジタル社会に生きる“危うさ”。それは私たちにとっても人ごとではない。
2月8日、米ネット通販大手Amazon.com(アマゾン)の創業者であるジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が、ブログサイト「Medium」に署名記事を掲載し、こんなふうに訴えた。
「昨日、私にただならぬことが起きた。いや、私にしてみれば、異常なことというよりは、初めてのことだった。拒否できない提案を受けたのである。というより、少なくとも(米タブロイド紙の)ナショナル・エンクワイアラー紙の幹部らはそう考えた。彼らがそう思ったおかげで、私は全てを書いておこうと思うことができた。恐喝や脅迫に屈するよりも、彼らが私に送ってきたものを掲載する決心をした」
「恐喝」「脅迫」など穏やかではない言葉が並ぶこの記事はメディアで大きく取り上げられ、米国をはじめとして大騒動に発展している。ただこの文章だけを見ると、ベゾスが何か「犯罪臭」のする提案をされた被害者になっているかのような書きっぷりだが、事はそう単純なものではない。
実は、この記事はベゾスの離婚騒動と、その背後にちらつく不倫問題に端を発する。資産総額1600億ドル(約18兆円)を誇る世界で最も裕福な人物に、いったい何が起きたのか。詳しく見ていくと、インターネットやデジタルデバイスの発展によって大金持ちに成り上がったベゾスが、そのデジタル社会に足をすくわれたという構図であることが分かる。また同時に、全てがデジタル化されてつながっていく時代に生きる危うさもあらわにしていると言える。
そしてこのケースは、億万長者ではなくとも、ビジネスパーソンには人ごととは言えないイシューでもある。
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