アマゾンのベゾスCEO、不倫脅迫騒動があぶり出す「デジタル時代の危うさ」:世界を読み解くニュース・サロン(2/6 ページ)
米ネット通販大手アマゾンのジェフ・ベゾスCEOの離婚、不倫問題に関して、彼が米タブロイド紙から“脅迫”されたと主張し、騒動になっている。この問題から見えるのは、デジタル社会に生きる“危うさ”。それは私たちにとっても人ごとではない。
「離婚」「不倫」「脅迫」騒動のいきさつ
ベゾスが離婚を公式に発表したのは1月9日のことだった。ベゾスと妻のマッケンジーが連名で、25年の結婚に終止符を打つとTwitterで発表した。
当初、メディアでは、離婚が成立することによって、アマゾン創業以来、夫のベゾスを支えてきたマッケンジーが、どれほど財産分与されるのかが大きな話題になっていた。夫婦が暮らしたワシントン州の法律にのっとり、ベゾスの資産の半分が彼女に渡るという報道もあった。そうなれば、800億ドルほどを受け取ることになるマッケンジーが一気に世界で最も裕福な女性になると騒がれていた。
だがその裏では、ある疑惑がうごめいていたのである。ベゾスの不倫疑惑だ。
離婚報道の後すぐに、米タブロイドのナショナル・エンクワイアラー紙が、ベゾスの不倫疑惑を報じた。
不倫相手は、『グッドデイLA』という番組の元司会者の1人であるローレン・サンチェスという女性。ベゾスとはダブル不倫だった。しかも、実は離婚発表をする2日前にベゾスは同紙からの取材によって不倫疑惑が掲載されることを知り、直ちに夫婦で離婚を発表した。そのタイミングからも、ベゾスは不倫の記事が出るより先に、自分から離婚を公表しようとしたことがうかがえる。要は、不倫がバレそうだから離婚を発表したということらしい。
不倫疑惑の記事には、ベゾスとサンチェスの密会写真が11ページにもわたり数多く掲載された。同紙は4カ月にわたって極秘取材を続けてきたと語っており、ベゾスが6500万ドルのプライベートジェットに不倫相手を乗せて米国各地を観光したり、ベゾスの個人所有の自宅などで密会したりしていた様子も捉えている。14日間で少なくとも6回もデートしていた。同紙は数々の密会現場の写真を押さえており、ネットでも次々と掲載した。
極め付きは、ベゾスがこの愛人に送ったとされるメールが流出したことだ。これまでスキャンダルのにおいすらなかった清廉潔白なベゾスが送った実物メールは、そのあまりの「甘いメッセージ」にこちらが恥ずかしくなるほどである。
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