アマゾンのベゾスCEO、不倫脅迫騒動があぶり出す「デジタル時代の危うさ」:世界を読み解くニュース・サロン(3/6 ページ)
米ネット通販大手アマゾンのジェフ・ベゾスCEOの離婚、不倫問題に関して、彼が米タブロイド紙から“脅迫”されたと主張し、騒動になっている。この問題から見えるのは、デジタル社会に生きる“危うさ”。それは私たちにとっても人ごとではない。
例えば、「愛してるよ、元気な君。私の体と唇、目で、いかに君を愛しているか、もうすぐ見せてあげるよ」「君の匂いを嗅ぎたい。君を吸い込みたい。きつく抱きしめたい……唇にキスをしたい。愛している。恋に落ちたんだよ」というメッセージ。さらに2018年6月1日には、自分のセルフィーとともに、こんなメッセージを送っている。「私が何を欲しているか分かるかい? 今夜は君とちょっと酒を飲みたい。酔っぱらうほどじゃなく、少しね。一緒に話をして計画を立てたい。話を聞いて、笑って……ただ一緒にいたい!!! それで一緒に寝て、明日起きて、一緒に新聞を読んで、コーヒーを飲みたいんだ」
まさに、とろけるようなメッセージ……というより、恋に落ちて周りが何も見えなくなった生真面目な少年のようだが、世界的企業を一代でつくり上げた経営者の、無防備で人間らしい素顔を見たようでほほえましくもある。とはいえ、一応確認しておくが、ベゾスは1月12日に55歳になった、世界経済にも多大なる影響を及ぼすほどの億万長者である。
これらの報道を受け、ベゾスは個人的に調査チームを組み、どうしてこれらのプライベートなメッセージが流出したのか調査を開始すると発表。すると、その報道に不快感を持ったナショナル・エンクワイアラー紙側は、ベゾスにアプローチし、実はベゾスが自分の「股間」をセルフィーして不倫相手に送った写真も持っていると伝えてきたという。しかも、その写真などを報じられたくなければ、調査をやめろと脅してきたのだ、と。
その要求を知ったベゾスは、同紙から脅迫されたと主張。大々的に冒頭で紹介した記事を掲載したのだった。これが事の顛末(てんまつ)である。
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