優れた道具は使い手のレベルアップにもつながる:内田恭子の「日常で触れたプロフェッショナル」(1/4 ページ)
素敵な食器やお鍋、キッチンツールを見つけると、ついつい買ってしまう内田恭子さん。今も狙っているお鍋が2つあるそうだ。けれども、素敵な器などを使うことで良い効果が生まれるのだという。
あんまり収集癖がない私だけれども、食器やお鍋、キッチンツールはついつい買ってしまう。お鍋もすでにいくつも家にあるし、だいたい一度の料理でそんなに使わないでしょ、というのも分かっているのだけれど、素敵なものがあるとどうしても我慢ができない。
今もどうしても欲しいお鍋が2つ。必死で自分を抑えている最中だ。
1つは軽井沢でふらりと立ち寄ったギャラリーで見つけた銅製のしゃぶしゃぶ鍋。とは言っても、よく見かける真ん中に空洞があって、煙突のようなものが突き出ているものではなく、スープ皿くらいの深さで、不規則に緩やかなカーブを描いている縁と美しいゴザ目模様がインテリアみたい。そう、ただのしゃぶしゃぶ鍋だけに使うにはもったいないくらいで、目立つところに飾っておきたいもの。しかも銅鍋は熱伝導性に優れているらしく、冷たいお肉を入れても温度が下がりにくい。
そんな素敵なものに出会ってしまうと、私の妄想がどんどん広がっていく。ちょっとちょっとこれいいじゃない。今度誰々ちゃんがうちに来たときにこれでしゃぶしゃぶをしたらすごく盛り上がりそう。これだったら、少し濃いめのランチョンマットを敷いて、大きなお皿にお肉をたっぷり盛って、この間買ったばかりのエルコーレモレッティのカラフルな器にサイドの春巻きをのせて……と楽しい想像が延々と続く。
いよいよ手が伸びそうになったものの、おっと。値段が一桁違う。これは少し考えなくては。なんて思いながら東京に帰ってきたものの、やっぱり買っておけばよかった、とただ今後ろ髪を引かれ中。
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