【第7話】浮かび上がる「無駄の本質」:「働き方改革」プロジェクトリーダーを命ず(3/3 ページ)
働き方改革プロジェクトで本当に見直すべきポイントはどこか。議論の中で意外な人物がその“本丸”を指摘した。
会議はどうやって減らせるのか
小田: 竹中さん、このような問題に対する取り組み事例はあるのかな。
竹中が末席から立ち上がり、ホワイトボードの前に進む。突然の社長の指名にも全く動じない態度に、日野下は内心舌を巻いた。
竹中: そうですね。日本企業の本社部門では、会議とその付随業務は20〜30%といったところでしょう。そして、日本企業は一般的に会議がとても下手です。
歯切れの良い断定に、一同は苦笑する。続けて、竹中がホワイトボードに大きく十字を書く。マトリクスのようだ。
竹中: 縦軸は「化学反応が起こるか」、つまりは複数の人間が話し合うことがバラバラに考えるより良いものを生み出すことを期待できるかどうか、といったところでしょうか。横軸は、「参加者の行動につながるかどうか」で、会議後直ちに何らかの行動を期待できるか、です。
こう考えると、世の中の会議は4種類に分類できます。それぞれ名前をつけて、理想的な規模を書いてみますね。右下の「意識付け会議」だけ補足した方が良いでしょうか。例えば、事業部長が、年度初めに事業部全員を集めて方針を語るような会です。そこでは議論はしないので化学反応は期待できませんが、方針に沿った行動は期待しているわけなのでこの象限になります。
この中で、共有のみを目的とした会議を中心に、簡素化・廃止を進めるのが王道ですね。
竹中が、赤いマーカーを手にして左下の象限を斜線で埋める。
小田: これまであげた施策を手術とすると、会議・資料改革は生活習慣の改善だな。よし。このテーマを加えて実行に入ろう。滝柄さんにリードしてもらうよ。
(続く)
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