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休止間近!「上野動物園モノレール」が担った“意外な役割”日本最古、62年間の軌跡(4/4 ページ)

11月1日から、日本最古のモノレールが運行を休止する。上野動物園モノレールだ。300メートルを結ぶ約1分半の路線だが、62年間を振り返ると、さまざまな困難を乗り越えた歴史があった。休止前にその歩みを振り返ってみては。

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日本最古の形式を維持する難しさ

 新しい交通の“実験”として誕生した上野動物園モノレールは、動物園の発展とともに、多くの人に親しまれる存在へと変わっていった。現在、来園者の4人に1人ほどがモノレールに乗車しているという。休止が発表された後、「慣れ親しんだ人から、存続を求める声もいただいている」(担当者)

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開通記念として発売された乗車券
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1988年、パンダの赤ちゃん誕生記念で発売された乗車券

 しかし、その歴史が物語っているように、「(実験という)役割を終えた上で、その形式を維持しながら続けていくには多くの課題がある」(同)。国内唯一の車両を更新するには3年程度かかり、製造できるのは1社のみ。製造技術の継承や部品の確保も課題だ。

 モノレールの休止後は、東園と西園を往復する電気自動車などを運行するというが、今後モノレールをどうするかは決まっていない。上野動物園全体の発展や魅力向上も踏まえて、車両更新や廃止、あるいは他の乗り物の整備などを検討していく。

 上野動物園にモノレールが走っている風景を当たり前のように感じてきた人も多いだろう。その歴史に思いをはせつつ、日本最古のモノレールが走る風景を目に焼き付けておくのもいいかもしれない。

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