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【一問一答】トヨタ社長「過去の成功に頼っていては未来がない」CASEへの対応急ぐ(3/3 ページ)

トヨタ自動車の豊田章男社長は決算説明会で、「CASE」への対応を加速させる考えを示した。社長就任から丸10年を迎え、自動車業界のビジネスモデルの変化に直面したこと、トヨタ自身がフルモデルチェンジする必要があることを語った。

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「トヨタは大丈夫」が最も怖い

――ビジネスモデルを変革しなければならないという話だが、成功体験があると、変化に対する摩擦や反発がある。どう変えていくのか。

豊田氏 それが分かれば苦労しない。何が正解か分からないが、まずはやってみないと反応も分からない。諦めずにコツコツと続けるしかない。とにかく良いと思ったことはやってみる。間違っていると分かれば引き返して、別の道を探す。「やってみながら考える」ことが重要だ。

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4月に上海国際モーターショーで公開した「C-HR」/「IZOA」のEV

――自動車も所有から共有にシフトしている。「クルマは“愛”がつく工業製品」という「愛車」の考え方は維持できるか。

豊田氏 所有も共有も両方必要な考え方。社内では、よく歯ブラシとタオルの話をしている。ホテルで歯ブラシは共有されないが、タオルは共有される。その違いは何か。タオルは清潔で安心安全であれば共有されるが、歯ブラシは共有されない。そういったところにも答えが隠されているのでは。社内でエンジニアや営業マンなどと議論して、これといった答えは出ていないが、両方に乗っていく考えだ。

――最も恐れているトヨタの課題とは。

豊田氏 「トヨタは大丈夫だ」と思うこと。社内でも「何でこんなに危機感をあおるのか」と言われるが、あおっているわけではない。「大丈夫」「何を心配しているのか」というのが一番危険。日々いろんな変化が起こっている中で、その変化に神経を研ぎ澄ましていく。大きな会社でそれをやっていくために、「大丈夫」という言葉は怖い。

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