ビジネスチャット時代、確実に淘汰される「自己チュー社員」とは:“いま”が分かるビジネス塾(1/3 ページ)
日本企業でも浸透するビジネスチャット。社内コミュニケーションが変容する中で、淘汰されてしまう社員像とは?
日本でもジワジワとビジネスチャットを導入する企業が増えている。電子メールと異なり、ビジネスチャットは必ずしも1対1のやりとりになるとは限らないので、他の社員との関わり方が重要な意味を持ってくる。ビジネスチャット時代には、役職の上下でしか相手との関係を構築できない昭和型社員や、自己中心的でギブアンド・テイクのない社員は淘汰されていく可能性が高い。
変わる社内コミュニケーションの意味
「Slack」に代表されるビジネスチャットは、近年、欧米企業を中心に急速に普及している。国内では先端的なIT企業が活用するレベルにとどまっていたが、最近では一般的な大企業でも導入するケースが出てきている。ビジネスチャットを使うと社内のコミュニケーションが大きく変わり、もはやチャットなしの時代には戻れないという感想を持つ人も多い。
近い将来、対外的なやりとりは電子メール、社内のやりとりはビジネスチャットという役割分担が確立する可能性が高いが、ビジネスチャットの普及は、社員の評価や昇進にも大きな影響を与えるだろう。その理由は、同じコミュニケーション・ツールといっても、チャットと電子メールとでは根本的な概念が違うからである。
社内コミュニケーションには、大きく分けて3つのパターンがある。1番目はライン上の指示・命令で、特定の相手に対して指示を行い、指示を受けた人は報告を返すというもの。もう1つは多数への告知(一斉同報)、3番目は情報やアイデアの緩やかな共有である。
大量生産の時代には、1番目と2番目のコミュニケーションが重視されていた。
役職が下の人間は上からの指示に従っていればよく、組織も機能ごとに縦割りになっているので、横方向の連絡はそれほど多くなかった。社員同士のやりとりは基本的に上下方向が中心と考えれば良い。
だが近年はビジネスの多様化が進み、こうした仕事の進め方は時代に合わなくなっている。社内に散財しているアイデアをうまく共有し、新しいサービスを生み出すことが強く求められており、上司の役割も「命令」から「コーディネート」にシフトしている。こうした時代には3番目のコミュニケーションが重要となってくる。
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