副業の「瓦割り」ビジネスを4カ月で黒字化させて会社を辞めた男の勝算:居合抜刀の体験もスタート(1/7 ページ)
「瓦割り」体験を提供しているお店がある。大企業に勤務していた男性が副業として始めた。オープンから4カ月で黒字化させ、会社を辞めるに至った経緯とは?
「瓦割り」の体験事業を2017年4月から手掛ける男性がいる。大企業に勤務しながら副業として始めたが、わずか4カ月で黒字化に成功。18年8月には会社を辞めるに至った。今年5月からは「居合抜刀」の体験事業も始めた。
男性は、瓦割りだけではなくさまざまな事業にも着手しているのだが、どのようなビジネスプランを描いているのだろうか。
人通りが少なくても繁盛店に
外国人観光客でにぎわう東京・浅草。人気スポットである浅草寺から徒歩数分のところに「瓦割り カワラナ」のお店はある。もともとガレージだったところを利用しており、建物の2階には物件のオーナーが住んでいる。
カワラナは土日祝日のみ営業しており、開店時間は午前10時〜午後5時だ。人通りが少ない場所にあるのだが、SNSなどでお店の存在を知ったお客がわざわざ足を運んでくる。
瓦割り体験の流れはこうだ。まず、各種注意事項が記載された書類にサインし、瓦割りの動画を視聴する。次に、「瓦割り5枚チャレンジ」(税込2000円、以下同)や「瓦割り10枚チャレンジ」(3900円)といったプランを選択する。何度か瓦を割る練習をしてから、本番となる。一般的な成人女性には5枚、成人男性には10枚のプランをそれぞれ推奨している。10人以上で来店する場合は貸し切りプランが選択できるが、基本的に予約制ではない。お店を訪れ、先客がいれば自分の番が来るのを待つ。
瓦を実際に割ってみた
実際に筆者も5枚プランに挑戦してみた。瓦を手に取るとずっしりと重たく感じる。屋根の補修などに使う本物の「のし瓦」であり、1枚当たり2.3キロあるそうだ。総合格闘技の選手が使うようなグローブを装着し、アドバイス通りに拳を振り下ろすと全部割ることができた。筆者の場合、拳の痛みはゼロではなかったが、人によって感じ方は異なるだろう。
カワラナ代表の川口民夫さん(39)は「瓦割りをしたことがある人はほとんどいません。初めてチャレンジするワクワク感はもちろんですが、瓦割りの順番を待つ他のお客さまに見てもらうことになるので、場が大いに盛り上がりますね」と説明する。
瓦割りを成功させた達成感だけでなく、見ず知らずの人から声をかけてもらう“体験”にもお金を払っているのだと感じた。
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