副業の「瓦割り」ビジネスを4カ月で黒字化させて会社を辞めた男の勝算:居合抜刀の体験もスタート(5/7 ページ)
「瓦割り」体験を提供しているお店がある。大企業に勤務していた男性が副業として始めた。オープンから4カ月で黒字化させ、会社を辞めるに至った経緯とは?
運営に友人を巻き込む
現在、カワラナを運営するスタッフは、川口さん、川口さんの父親、アルバイトの3人だ。また、友人たちが時間のあるときに接客や掃除を手伝ってくれている。1回だけ手伝った人を含めても、累計40人近くが運営にかかわっているという。手伝ってくれたお礼として瓦割りのサービス券を渡している。
川口さんは意識して周囲の人たちを運営に巻き込み、お店のサービス向上に役立てている。例えば、瓦割り体験をイメージしてもらいやすいように、実際に使う瓦を店頭に展示するアイデアは仲間が提案したものだ。知り合いを巻き込めば、口コミで店の存在が知れ渡るメリットもある。
こういった運営スタイルのヒントは、過去に読んだビジネス書にあったという。今後、イケてるビジネスはスナックのような形態になる。お客より先に店のママが酔いつぶれても、常連が他のお客のためにお酒をつくったり、勘定をしたりしてくれる。サービスを提供する側と、サービスを受ける側の間に明確な線引きをする必要はない、といった内容だ。
複数の収入源を確保
川口さんは18年8月に会社を退職した。現在はカワラナだけでなく、コワーキングスペースや貸会議室の運営、企業に対する事業支援など複数の事業を手掛ける。
川口さんは、どのような将来像を描いているのだろうか。
「瓦割りだけでは食っていけません。ですが、このお店や貸会議室といった『ハコ』を生かし、さまざまな企画を立ち上げたいと考えています。面白い企画とハコを組み合わせて、人を集めて、楽しいことをやっていきたいですね」
現在、多くのお客が来店してくれているのだが、1度楽しんだら関係性はそこで終わってしまう。それではもったいないので、貸会議室で実施するイベントに遊びに来てくれたお客に瓦割り体験も提供したら面白そうだ――そういった構想を抱いているという。
関連記事
- 退職時にこそ猛烈に仕事をすべき2つの理由
転職市場が活性化しており、何度か退職を経験した人も多いだろう。退職時にこそ猛烈に仕事に取り組むべきだと筆者は主張する。どういうことかというと……。 - 週100時間以上働くエリートほど出世しない理由
投資銀行やコンサルティングファームで働くエリートは長時間労働をしがちだ。しかし、業務に必死に取り組むエリートほど出世しないという。どういうことなのだろうか。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - 苦戦していた「沖縄ファミマ」が稼ぎまくるようになった経緯が面白い
沖縄にあるファミマの全店平均日商は全国平均より高い。なぜ沖縄のファミマの稼ぐ力は高いのか。地元に密着した独自の商品開発力やマーケティング施策に迫る。 - 豊洲市場の吉野家が面白い 「時給1500円」に「超少ないメニュー数」
2018年10月に吉野家の1号店は築地から豊洲市場に移転した。他店とは違うユニークな運営がされている。創業精神を受け継ぐお店に行ってみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.