天板が“傾く”デスク発売 ノートPCがもたらす悪影響に効果:8段階で調節(1/2 ページ)
コクヨは、天板の角度を調節できるデスク「UPTIS(アプティス)」を6月に発売する。首に負担がかかる「うつむき姿勢」を改善。働き方改革の一環として提案を進める。
コクヨは6月3日、オフィス向けデスクの新商品「UPTIS(アプティス)」を発売する。天板の角度を調節できることが特長で、長時間のデスクワークの際にも、首などへの負担が少ない姿勢を維持できるという。ノートPCやスマートフォンを「うつむき姿勢」で長時間使用することによる健康への影響を周知し、働き方改革の一環として企業などに提案していく。
「うつむき姿勢」が体と心に影響
「働き方改革においては、“時間”や“場所”に関する取り組みが多い。コクヨは“働くこと”自体を快適に、楽しくするサポートがしたい。そのためには『健康』が重要だ」。5月27日に開いた発表会で、上席執行役員ファニチャー事業本部長の坂上浩三氏はそう語った。
2017年には、人の動きに合わせて座面が動くオフィスチェア「ing(イング)」を発売。座っていても筋肉を使うことができ、自然な姿勢が維持できる。しかし、「ingではできないことがある。それが『首から上』のサポート」と、開発を担当した、ものづくり本部 執務空間バリューチーム部長の赤松広道氏は話す。
なぜ「首から上」が重要なのか。オフィスで一般的に使われるようになったノートPCは、デスクに置くと、画面の位置が目線よりも低くなる。画面をのぞき込むようにして作業をするうちに、自然とうつむき姿勢になってしまう。
うつむき姿勢が首にかける負担は大きい。人の頭の重さは体重の10%ほどになるが、頭を30度前方に傾けると、首にはその3倍もの重さがかかるという。「長時間のデスクワークが引き起こす首への負担が心の不調にもつながる。『デスクワーク症候群』となる従業員を出さないよう、企業も気を付けないといけない」と、さかいクリニックグループ代表を務める柔道整復師、酒井慎太郎氏は説明した。
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