ミニ入江は身近にいる カラテカ入江氏の闇営業トラブルに見る「紹介」の怖さ:専門家のイロメガネ(2/6 ページ)
お笑い芸人のカラテカ・入江慎也氏の「闇営業」をきっかけに、芸能界が揺れている。入江氏の勘違いは、紹介は引き合わせた双方に責任が発生する重大な仕事であるということだ。ミニ入江のようなおかしな人物も決して珍しくない。人を紹介すること、仕事を紹介すること、そしてそれを引き受けることはそれなりのリスクがある。
メールアドレスを教えてくださいという無礼な紹介依頼
以前、筆者の友人から紹介したい人がいると連絡があった。筆者が関わるビジネスの分野についてアドバイスが欲しい人がいるという。役に立てるならと思って快諾したが、それがトラブルの始まりだった。
話を聞くと、実際にはアドバイスではなく、筆者の取引先を紹介してほしいということだった。しかも筆者にとっては重要な取引先で、その責任者をピンポイントで紹介してほしいという依頼だ。面識もない人に取引先を紹介するのはいかがなものかと躊躇(ちゅうちょ)する内容だ。
図々しいと思う半面、友人の手前せっかくだから役に立ちたいという思いや、紹介をすれば何かしらの見返り(その後の仕事上のつながり)もあるかもしれない……と迷っていると、「責任者の連絡先を教えてもらえれば後はこっちでやりますから」と追加で連絡が来て、あまりの非常識さにずっこけそうになった。
筆者よりもいくつか年下の相手に対して、いかに無礼なことをやっているか説教しようかと思ったが、時間の無駄と考えてそれ以降は完全に無視した。仲介をした友人には「こんな馬鹿な奴を紹介するとあなたの信用度が落ちる」と忠告した。
話を聞くと、この無礼な人は親友や仕事仲間ではなく、何度か面識があってお茶や食事をした程度だという。数年ぶりに連絡が来て紹介を依頼されたが、名の知れた企業の勤務だから安心して紹介した、そんな失礼な人だと思わなかったと友人も驚いていた。
もし筆者がこの依頼を受け入れて連絡先を勝手に教えていたら、重要な取引先を失っていたかもしれない。逆の立場で考えれば、筆者が公開していない携帯番号やメールアドレスを許可も得ずに、勝手に教えるような人がいたら判明した時点で取引停止、出入り禁止だ(当然、この無礼な人物は会社ごと出入り禁止で今後仕事の依頼が来ても引き受けることはない)。
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