ミニ入江は身近にいる カラテカ入江氏の闇営業トラブルに見る「紹介」の怖さ:専門家のイロメガネ(3/6 ページ)
お笑い芸人のカラテカ・入江慎也氏の「闇営業」をきっかけに、芸能界が揺れている。入江氏の勘違いは、紹介は引き合わせた双方に責任が発生する重大な仕事であるということだ。ミニ入江のようなおかしな人物も決して珍しくない。人を紹介すること、仕事を紹介すること、そしてそれを引き受けることはそれなりのリスクがある。
周りを巻き込むことの責任
紹介はいくつかのパターンがある。まずは自分自身の紹介だ。
紹介をしてくださいと自ら働きかける場合と、逆に友人や知人などからあなたに紹介したい人がいると連絡が来る場合に分けられる。
そしてもう1つが誰かを紹介する場合だ。
こんな人を紹介してもらいたいと依頼を受ける場合もあれば、この人とこの人をつなげたら何かいい仕事につながるんじゃないかと、自ら働きかけることもある。
自分が紹介される場合と他人を紹介する場合、どちらでもトラブルは起こり得るが、今回報じられている入江氏のトラブルは依頼を受けて先輩芸人を紹介する、つまり人と人をつなぐ形の紹介だ(自身もパーティーに参加したようだがメインはあくまで売れっ子芸人の紹介だろう)。
入江氏は、2015年にイリエコネクションという会社を吉本興業と一緒に立ち上げている。まさに紹介をビジネスにしようとしていたわけだ。それ自体に問題はなく、悪いことでもない。芸能プロダクション自体が紹介・仲介をビジネスにしており、前述の通り筆者が運営する編集プロダクションも紹介によって利益を得る面では同じだ。
ただ、入江氏が勘違いしていたことは、人を右から左へ動かすことによってお金がもらえる楽な仕事ではなく、紹介によって引き合わせた双方に対して責任が発生する重大な仕事であるということだ。
各種報道を見る限り、入江氏はこのあたりについてかなり無防備にやっていたようだ。先輩であるタレントの今田耕司氏は、「お前の主催したイベントでだれかがコカインでもやればお前の責任になる」といった忠告をした、とテレビ番組で明かした(※参照 読売テレビ「特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル」2019/06/15放送)。
人脈を誇り、それを利用して派手なイベントでもうけようとする後輩が危なっかしく見えていたのだろう。入江氏があまりに軽々しく紹介をビジネスにしていることについて、先輩として注意せざるを得なかったに違いない。
今回の即解雇という処分についても、自身が闇営業をするだけにとどまらず詐欺グループへの営業に他の芸人まで多数巻き込んだこと、つまり仲介・紹介によって余計に責任が重たくなったのではないかと指摘している。
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