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トヨタ社長が「終身雇用は難しい」と言っても、やっぱり「終身雇用」が必要な理由:専門家のイロメガネ(1/4 ページ)
トヨタ自動車豊田章男社長の「終身雇用は難しい」発言が大きな波紋を呼んでいる。企業側の厳しい環境はわかるが、終身雇用の維持は日本企業の責任ではないのか? そう考える4つの理由をまとめる。
トヨタ自動車社長、豊田章男氏の「終身雇用は難しい」発言が大きな波紋を呼んでいます。
日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は13日、都内で開いた記者会見で終身雇用について「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べた。
終身雇用、「企業にインセンティブ必要」 自工会会長 日本経済新聞 2019年5月13日
日本を代表する大企業であり、かつ1950年の経営危機時に1600人のリストラを行って以来、半世紀以上もリストラせずに来たトヨタ自動車。その会長が、このような発言を行ったことを、筆者も非常に重みをもって受け止めています。
主要自動車メーカー間競争の激化、中国など新興国の自動車メーカーの台頭、そして自動車もIT化が進み、GoogleやAppleといった異業種との主導権争いなど、トヨタ自動車を含め日本の自動車メーカーは厳しい環境に置かれています。
それに伴い人材確保競争も激化している状況で、社内に抱える余剰人員を解雇し、優秀なエンジニアやデザイナーを高い報酬で迎え入れる……そんなメリハリのある人事戦略を取らなければグローバルで通用する人材を確保するのは難しいことは理解できます。
その一方で、雇用の専門家である社労士の視点として、終身雇用の維持は「日本企業の責任ではないのか?」とも見えるわけです。
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