ミニ入江は身近にいる カラテカ入江氏の闇営業トラブルに見る「紹介」の怖さ:専門家のイロメガネ(5/6 ページ)
お笑い芸人のカラテカ・入江慎也氏の「闇営業」をきっかけに、芸能界が揺れている。入江氏の勘違いは、紹介は引き合わせた双方に責任が発生する重大な仕事であるということだ。ミニ入江のようなおかしな人物も決して珍しくない。人を紹介すること、仕事を紹介すること、そしてそれを引き受けることはそれなりのリスクがある。
安易な紹介は被害を拡大するリスクも
現在ホームページを持っていない企業はまずない。個人が相手でもSNSアカウントなどでダイレクトメールなどを送ることもできる。取引をしたいのなら直接連絡を取ればいい。紹介・仲介は、伸るか反るかの勝負所でもない限り、気軽にお願いしたり安請け合いもしない方がいい。
ビジネスを行う上で紹介は非常に強い効果を発揮する場合もあるが、非公式なルートでの取引自体が間違っている可能性もあるのは書いた通りだ。紹介やコネで自身が得をしようとするあまり、入江氏や13人の芸人達のように、反対に食い物にされる場合や破滅的なトラブルに巻き込まれる場合もある。
筆者が追い払ったような怪しいコンサルタントも、そんな人物を頼ってメディアに出ようと考える時点で、その人の仕事が上手くいっていないことを示している。そんな状況でメディアに出られるわけがないと、冷静に考えれば分かりそうなものだが、売り上げが少ないジリ貧のフリーランスや経営者、あるいは虚栄心でメディアに出て有名になりたい、チヤホヤされたいと考えている人は簡単にだまされる。
独立すると「タレントと対談をしませんか?」「 本を共同で出しませんか?」 と、本来お金をもらえるはずが、お金を払って実績を買うような話を持ちかけられることもある。これは「フリーランス・経営者あるある」の1つだが、実績もなくこういった仕事に手を出せば、お金を取られた上に信用を失う場合もある(この手の仕事は見る人が見ればお金を払っていると簡単に分かる)。”ミニ入江”が持ちかけるのもこの手の仕事だ。
入江氏が、楽に儲かっておいしいと思っていた仕事で全てを失ってしまったように、紹介や仲介、コネを利用して楽にもうけよう、宣伝してやろうという心のスキがトラブルの原因となる。
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