冷蔵庫の中まで“のぞき見”しようとするクックパッドの新戦略:単なる“データ提供”からは卒業(2/4 ページ)
日本最大級の料理レシピサービス「クックパッド」。膨大な検索結果という“ビッグデータ”を法人向けに提供しているが、ユーザーの冷蔵庫の中まで分析するような新サービスを考えているという。
かつては「みのもんた」で今は「マツコ」
たべみるでは、どのような機能が利用できるのか。
最もポピュラーなのは、クックパッド上でよく検索されているキーワードが検索できることだろう。調味料メーカーならサラダのトレンドをつかみ、商品開発に反映させたり、スーパーへの販促に利用したりできる。また、「ある食材がどのような単語と一緒に検索されているのか」「検索後、ユーザーはどんなレシピをクリックしたのか」といった情報も分かる。
たべみるから派生した「たべみるニュース」というサービスもある。これは、電通からデータを入手し、テレビ番組で紹介された料理や食材をタイムリーに提供するものだ。ある商品や食材が影響力の強いメディアで取り上げられると、クックパッドでの検索数が急増する。小売りチェーンはそれを踏まえて、売り場を変更できる。かつてはお昼のワイドショーで、タレントのみのもんた氏が紹介する食材がスーパーで売れるという現象があった。現在は「マツコの知らない世界」「ヒルナンデス!」「秘密のケンミンSHOW」「名医とつながる! たけしの家庭の医学」などの影響力が強いという。少々毛色が変わったところでは、ドラマ「きのう何食べた?」の主人公である「シロさん」がつくった料理のレシピもよく検索される。スーパーの売り場担当者からすると、いちいち全てのテレビ番組をチェックする必要がなくなるというわけだ。
検索された個別レシピの背景を深堀りして分析するのにも役立つ。例えば、「コーン」を使った料理は多数あるが、季節によってどう食べたいかは異なる。「春にはほうれん草との組み合わせが多い」「秋にはキャベツとの組み合わせが多い」といった形でデータを読み解くことができる。さらに、ユーザーの年代ごとにコーンと組み合わせて検索されるワードも異なる。30代前半はコーンを使った離乳食、40代ではお弁当メニューなどを提案するとユーザーに刺さりやすいといった傾向が見えてくる。
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