従業員に「7連休とってね」 ロイヤルホストの働き方改革、次なる一手:既に達成率は8割(2/2 ページ)
働き方改革を次々と推進しているロイヤルホスト。24時間営業の廃止や店舗休業日の設定に続き、従業員の「7連休」取得に挑戦している。人材獲得にもプラスに働いているようだ。
始まった「7連休」取得作戦
こういった流れの中で、同社が次に取り組んでいるのが7連休の取得だ。持株会社のロイヤルホールディングスではなく、外食事業を担うロイヤルホストの社員626人が対象だ。
一般的に、飲食業界では土日の来店数が多いため、平日に休みをとるケースが多い。ロイヤルホストも例外ではなく、土日を含まない5連休をとる社員が多かったという。そんな状況だったが、同社は働き方改革をさらに推進するために、7連休取得を決めたという。店舗運営の核となる店長や料理長が土日に抜けるケースも出てくるが、店舗間で従業員の調整をすることで乗り切った。
7連休を実際に取得した社員からは「土日を含めて帰省できたので、友人と会えたり、家族とゆっくり過ごす時間がとれた」「家族で旅行に出かけ、週末の他のレストランの営業状況が分かった」「普段は味わえない土日のイベントを体験できて新鮮だった」という声があがっているという。
ロイヤルホストが働き方改革を進める中で、ある成果も出始めている。それは、人手不足が社会全体で深刻化しているにもかかわらず、1店舗当たりの従業員数が過去最高になったというのだ。広報担当者は「従業員のシフト調整の幅が広がり、ピークタイムの人員確保がしやすくなりました」と説明する。
ロイヤルホストが積極的に働き方改革を進めていることは広く知られるようになった。そのため、「より快適な環境で働きたい」と考える従業員が集まるようになったと推測される。
スリーウェルマネジメントの三ツ井創太郎社長も「採用難の時代なので、こういった取り組みを推進することで、人材獲得に大きな効果が望めるのでは」と語る。ロイヤルホストは“夢の7連休”を定着させられるか。
関連記事
- 松屋の魅力は券売機!? 人手不足時代に吉野家とすき家が導入しない理由とは
大手牛丼チェーン3社のうち券売機を導入しているのは松屋だけだ。生産性向上の切り札である券売機を吉野家とすき家は導入していない。各社に見解を聞いてみた。 - スシローが次世代型店舗オープン 効率化目指す“すごい”テクノロジーの全容に迫る
スシローがテクノロジーを駆使した次世代型店舗をオープンする。作業の効率化と客の満足度向上の両立を狙う。どのようなテクノロジーが導入されているのか? - 家賃が200万円もするのにスタバがもうかる理由
スタバは大都市の一等地に多くの店舗を構えている。1杯数百円のコーヒーを販売しており、店に長居するお客も多い。家賃が200万円以上するような場所でも利益が出せる秘密とは? - 最安バーガーは1000円 モスが最高級店をオープンする狙いを現地で確かめた
モスバーガーの最高級店舗「MOS PREMIUM(モスプレミアム)」が登場。最も安いハンバーガーでも1000円という強気の価格設定。どのような商機があるのか、店舗に行ってみた。 - 豊洲市場の吉野家が面白い 「時給1500円」に「超少ないメニュー数」
2018年10月に吉野家の1号店は築地から豊洲市場に移転した。他店とは違うユニークな運営がされている。創業精神を受け継ぐお店に行ってみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.