この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。
「働きがいのある会社」に共通しているものは何なのか――。本連載では、その疑問に答えるべく、「働きがいのある会社」ランキング上位に選ばれた5社(コンカー、gCストーリー、freee、マルケト、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ)の勉強会「QOWL」の活動を通じた各社の取り組みを紹介しながら、働きがいを高めるための秘訣(ひけつ)と施策を探っていく。
連載の第1回では、働きがいを高める取り組みで目指すべき「4つの状態」を明らかにし、第2回以降でそれぞれの状態について順に解説してきた。
シリーズ最後となる今回は、“目指すべき状態”の4つ目である「社員の“やりたい!”を推奨し、サポートする環境を維持する」について解説する。
「働きがいを高める4つの状態」と取り組み事例
「働かされている」ではなく、「楽しんで働く」
QOWLの勉強会を通して、5社全てのオフィスにお邪魔した。微妙に雰囲気が違えども、5社全てに、“熱量”みたいなものがあった。うまく言い表せないが、オフィス全体から前向きな雰囲気が伝わってくるのである。社員が「働かされている」のではなく、「楽しんで働いている」からこそ現れる雰囲気なのかもしれない。
実際に5社の方々と会って話すと、こういうコメントが出てくる。
今度こんなことやってみようと思ってるんですよ
誰にも指示されてないんですが、これ、勝手にやっちゃってるんですよね。楽しくて
依頼されていないのに、社員たちが勝手にいろいろやっているのである。
freeeでは、
全社ミーティングがなんか盛り上がらないから、DJミキサーを買って導入しちゃいました。やっぱり音楽があると違うんですよー
なんて話も出てくる。
え? それ誰かに指示されたんですか?」
まさかー。俺が勝手にやってますよ。見て見て、この配線すごく苦労したんだけど、いい感じで仕上がってるでしょ?
設備は俺がこだわりましたけど、選曲は俺よりもむしろ、あいつがこだわってましてね。すごいんですよ、曲のセレクトが。わはは
こういう話があっちこっちで出てきた。
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