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中小企業が「優秀なスタッフを採用する秘訣」とは 「管理ゼロ経営」で注目の社長に聞いてみた:長谷川秀樹の「IT酒場放浪記」(3/5 ページ)
「報酬は“つらさの代償”なのか」「性悪説はなぜコスパが悪いのか」「なぜ“どうせうちの会社は”という感情が生まれるのか」――。管理ゼロで会社をまわす、ソニックガーデン社長の倉貫義人氏を直撃!
「性悪説」はコスパが悪い
長谷川: 有給休暇という概念もあるんですか?
倉貫: ありますけど、申請とか承認は不要です。
長谷川: カレンダーに入れておくだけ、みたいな?
倉貫: 「チームのみんなに迷惑を掛けない」という大前提はあります。大人の良識で動いている会社なので、「来週の水曜日に休もうと思ったら事前にみんなに言っておくよね」、というくらい。ルールはないけれど、「誰かが急に行方不明になって困った」、みたいなことは起きたことがないです。
長谷川: そこは性善説で、「みんなを信頼してルールはあまり作らない」、ということですか。
倉貫: そうですね。うちは基本的にルールがないんです。法律で必要な就業規則なんかは一応、作るんですけど、最低限のものしかありません。
性悪説って、コストパフォーマンスが良くないんですよ。一部の悪いやつが悪さをしないようにルールを作ると、何かをするのにいちいち承認が必要になったりして、善良な人たちに負担を強いることになるから。
仮に、連絡せずに休んで迷惑を掛けた人がいたら、そいつのところに行って「どうした? なにかつらいことがあったの?」と話をすればいいんです。そういうときのために全部ルールを作って、事前にリスクをふさぐようなことをするのは無駄だな、と思っています。
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