なぜ今、「ガチガチの管理」が機能しなくなったのか――「管理をやめた成長企業」の社長に直撃:悩めるマネジャー必見(6/6 ページ)
変化の時代にガチガチの管理をしても成果は上がらない――。そう話すのが、書籍「管理ゼロで成果はあがる」の著者、倉貫義人氏だ。その理由は?
情報はあえて「声」で伝える時代に?
長谷川: 前に初めて倉貫さんにお会いしてソニックガーデンの取り組みを聞いたときって「そんなことできるの?」と、とても驚きました。でも、よく聞いてみると「なるほどな」と思えたんですよ。倉貫さんて、なにか声高にワーワー言っているわけではないんだけど、「人生を最大限に楽しもうよ」という、実は多くの人ができていないことに挑戦して結果を出している。それがすごいなと。
ただ問題は、世の中に伝えるのがちょっと難しいんですよね。「あの人はちょっと変わってるからできるんだ」みたいに見られちゃう。僕はね、Podcastの方が合ってるんちゃうかと思いますよ。
倉貫: どういうことですか?
長谷川: ちゃんと理解してもらおうとすると、文字だとめっちゃ長文になって誰も読まないから、喋った方がいい。
倉貫: なるほど。それは面白いですね。今、社内では「社長ラジオ」っていうのをやってるんですよ。僕が考えていることをみんなに知ってもらうにはどうしたらいいかと考えて、毎週3回くらい、5分間だけ音声を収録して配信してるんです。そうすると、リモートワークでもスマホで仕事しながらとか家事しながらとか、好きな時に聴いてもらえます。これの何がいいかって、5分間でもしょっちゅう僕の声を聴いていると、相手は親近感を覚えてくれるんですよね。
長谷川: それ、いいですね!
倉貫: それを外向けにやればいけるかな? 本だけじゃなくてブログとかも書いてるんだけど、確かに文章にする時に削ぎ落とされちゃうものって、あるんですよね。
長谷川: やりましょう! 僕もやりたいな。5分は自信ないから、3分で。SaaSオタクだから、海外のSaaS情報とか。
倉貫: 毎日1つ、SaaSを紹介するPodcastとか、絶対面白いですよ。
長谷川: よし、Podcastやりましょう!
ソニックガーデン 代表取締役 倉貫義人氏プロフィール
「納品のない受託開発」という月額定額&成果契約で顧問プログラマーを提供するソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。アジャイル開発のエヴァンジェリスト。1974年生まれ。京都府出身。大手SIerにてプログラマーやマネジャーとして経験を積んだのち、2011年に自ら立ち上げた社内ベンチャーのマネジメント・バイ・アウトを行い、ソニックガーデンを設立。「納品のない受託開発」という斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。会社経営においても、全社員リモートワーク、本社オフィスの撤廃、管理のない会社経営などさまざまな先進的な取り組みを実践。2018年には「働きがいのある会社ランキング」に初参加5位入賞と、「第3回ホワイト企業アワード」イクボス部門受賞。著書に『管理ゼロで成果はあがる』『「納品」をなくせばうまくいく』『リモートチームでうまくいく』がある。ブログ:https://kuranuki.sonicgarden.jp/
メルカリ CIO 長谷川秀樹氏プロフィール
1994年、アクセンチュアに入社後、国内外の小売業の業務改革、コスト削減、マーケティング支援などに従事。2008年、東急ハンズに入社後、情報システム部門、物流部門、通販事業の責任者として改革を実施。デジタルマーケティング領域では、Twitter、Facebook、コレカモネットなどソーシャルメディアを推進。その後、オムニチャネル推進の責任者となり、東急ハンズアプリでは、次世代のお買い物体験への変革を推進している。2011年、同社、執行役員に昇進。2013年、ハンズラボを立ち上げ、代表取締役社長に就任。東急ハンズの執行役員と兼任。AWSの企業向けユーザー会(E-JAWS)のコミッティーメンバーでもある。2018年10月から現職。
制作:チームIT酒場放浪記
ホスト:長谷川秀樹
マッチメイク・企画協力:酒井真弓
執筆:やつづかえり
企画・編集:後藤祥子
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