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人の心を癒すロボット「Qoobo」は、どのようにして生まれたのかあの会社のこの商品(4/6 ページ)

「ペットを飼いたいなあ」と思っていても、何らかの事情で飼えない人も多い。そのような人たちに癒やしを提供するのが、ユカイ工学の「Qoobo」。海外でも評判が高いユニークなロボットは、どのようにして誕生したのか。

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クラウドファンディングで目標の247%を達成

  「Qoobo」が初めてお披露目されたのは、17年10月に開催された「CEATEC JAPAN」。現在発売中のものと比べて完成度は20%程度と低かったが、市場性があるかどうかを知るために出展したという。「見た目のインパクトはあったので面白いと思いましたが、似たものが思いつかなかったので、『これは本当に売れるのだろうか?』とかなり悩んだところがありました」(青木氏)。反応が良かったらクラウドファンディングにチャレンジする予定を立て、開発を加速させるつもりでいた。

 「CEATEC JAPAN」での反応は、予想をはるかに超えた。日本だけでなく、海外からも大きな反響が。米国のジャーナリストで構成される審査委員会が審査する「米国メディアパネル・イノベーションアワード」で、特別賞の「Special Award Gadget Nation Award」を受賞。この影響もあり、海外のテック系メディアがこぞって「Qoobo」を紹介した。

 反応が良かったことから、同社は「CEATEC JAPAN」終了後、「Kickstarter」でクラウドファンディングにチャレンジする。クラウドファンディングにチャレンジしたのは、資金調達もさることながら「CEATEC JAPAN」同様テストマーケティングの側面が強かった。

 目標額は500万円で、期間は45日。最終的には目標額の247%に及ぶ約1236万円に達した。目標の500万円は開始から6日で到達。これほどまで早く目標額に到達するとは、青木氏も思っていなかったという。

 クラウドファンディングの結果から、「Qoobo」には製品化する価値があると確認した同社は、17年12月に予約販売サイトを立ち上げ、予約を受け付けることにした。予約の受け付けは18年8月末で終了したが、この間、国内外合わせて5000匹以上を受注した。


ユカイ工学の青木俊介氏。「Qoobo」の後ろに写っているのは、「Qoobo」の広報担当、くぅ坊で、「Qoobo」のSNSなどに登場している

 18年に入り、「Qoobo」の開発は加速したが、同時に海外での認知拡大に取り組む。1月に「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」、3月に「SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)」と、米国で開催された見本市やイベントに出展した。

 特に「CES」は、米国で「Qoobo」の現物が初めて披露されたことから、注目度が高かった。目立つ場所にブースが構えられなかったことから、試作品とのぼり旗を持って会場内を練り歩いていたところ、人だかりができてしまい、会場の警備員に注意をされたほどだった。

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