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普及する? スマホ決済アプリ「インストールしたが使っていない」が約6割 最もインストールされているアプリも明らかにMMD研究所調べ

MMD研究所が「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」を発表。同調査では、まだまだ「現金」が決済手段として人気なことが分かった。また、スマホ決済アプリをインストールした人でも、半数近くが利用するに至っていない実態も明らかに。10月の消費増税では、キャッシュレス決済にポイント還元が行われるが、スマホ決済は普及していくのだろうか。

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 10月の消費増税後、政府はキャッシュレスポイント還元事業(キャッシュレス消費者還元事業)を実施する。対象店舗でキャッシュレス決済をすると、決済額の2%か5%のポイント還元を受けられる制度だ。群雄割拠の時代を迎えているスマートフォン決済も対象となる。各社はキャッシュバックなどあらゆる施策を使い、ユーザーの新規開拓や囲い込みを進めている。その一方で、アプリをインストールしたが、その後に利用していない人も多く出ているようだ。マーケティングリサーチのMMDLabo(東京都港区)が運営するMMD研究所が9月19日に発表した「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」で、スマホ決済の実情が明らかになった。

まだまだ強い「現金」

 調査は2019年8月9〜18日の期間に、18〜69歳の男女3万7040人を対象に行われた。「あなたの普段の支払い方法をすべて教えてください」(複数回答式)という設問では、「現金」が90.5%で首位。2位は「クレジットカード」で71.3%だった。スマホ決済(非接触・タッチ式・QRコード決済など)は4位の16.4%。各社がこぞってユーザーの開拓に勤しむ一方で、十分に普及しているとはいえない状況だ。


やっぱり人気の「現金」(出典:MMD研究所)

 最も利用したい、利用してみたい支払い方法を問う質問でも、首位は「現金」の39.4%。2位も同様にクレジットカードで、僅差の37.4%だった。スマホ決済は、「普段の支払い方法」で3位だった「カード型の電子マネー」を上回り、3位となった(10.6%)。

 スマホ決済のうち、最も多くインストールされているのは「PayPay」で9942人だった。2位は「LINE Pay」で9027人、3位は「d払い」で8297人だった。一方、スマホ決済アプリをインストールしている人のうち、全体の46.8%が「アプリインストールしたが利用していない」と回答。「会員登録したが利用していない」「銀行口座やクレジットカードを連携したが利用していない」を加えると全体の62.8%となり、およそ6割の人が利用までこぎつけていないことが分かった。


約6割が「インストールしたのに使っていない」(出典:MMD研究所)

 スマホ決済1回につき抵抗なく使える金額については、「1000円〜3000円未満」が最多で26.1%。2位は「1000円未満」で19.2%と、半数近くが少額での決済に利用している。抵抗なく使える金額を3000円未満と答えた人は、その理由について「使いすぎてしまいそうだから」「残高に3000円以上チャージしていないから」などと回答しており、小まめに日用品などの買い物で使われているシーンが浮かび上がる。実際に、「スマホ決済を利用している場所」、また「スマホ決済を利用したいと思う場所」ではいずれもトップ3を「コンビニエンスストア」「スーパー」「ドラッグストア」が占めており、ちょっとした買い物用にスマホ決済は利用されているようだ。


少額決済がメイン?(出典:MMD研究所)

 一方、財布にはどれくらいの現金を入れているのだろうか。「あなたは普段、お財布に現金をどのくらい入れていますか?」という設問では、「5000円〜10000円未満」が最多で23.9%だった。2位、3位には「10000円〜20000円未満」「3000円〜5000円未満」と続き、それぞれ21.0%と14.6%だった。「自分がどれくらいの現金を持ち歩いているかわからない」という選択肢もあり、全体の7.6%が回答している。


財布の中身を把握していない人が7.6%(出典:MMD研究所)

 普及の兆しを見せるスマホ決済だが、まだまだ現金や他のキャッシュレスに利用率は及ばず、決済額も少ない結果となった。増税を追い風に、アクティブユーザーを増やすことができるだろうか。

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